01-04 このシスター兼メイド、スケベすぎる!
「でもルクレツィアさま……」
マルチナは身をよじるが、ルクレツィアの抱擁から逃れようとしての事ではない。マルチナもルクレツィア同様、自分の欲望に身を任せつつあるのだ。
「ルーシと呼んで」
ルクレツィアはマルチナの耳元で囁いた。ルーシーでもルーシァでもなく、語尾を伸ばさずにルーシと呼ぶ。これはルクレツィア自身がマルチナだけに許した呼び名だ。
「……ルーシ」
耳元まで真っ赤になりながら、マルチナはその名を口にした。ルクレツィアはシスター服の
「あぁ……!」
マルチナは嬌声を上げ、さらに身をよじる。ルクレツィアはマルチナの身体を抱きしめていた腕から少し力を抜いた。そして下からすくい上げるようにして、マルチナの乳房を抱え上げた。
マルチナはルクレツィアよりも小柄だが、胸はかなり大きい。単純な大きさなら一行の中ではリンダがトップだろうが、小柄な分マルチナの方が印象的だ。あたしたちの世界なら、間違いなくEカップ以上だろう。
ルクレツィアも現実世界にいた時のあたし、泉瑠夏以上の大きさはあるけど、さすがに敵わない。そしてルクレツィアはこうして背後からすくい上げるようにしてマルチナのおっぱいを愛撫する事が大好きだったりする。
その重量感がたまらないみたいだ。
「また少し大きくなったかしら……?」
はい、言葉責め来ました!
「そ、そんなの分かりません。修道院ではそう言う話をするのも禁止なので……」
駄目だ、これ以上続けていたら劣情に身を委ね、夜が明けるまで愛し合ってしまいそうだ。
ルクレツィアは我を取り戻した。百合オタのあたし的にはちょっと残念だけど。
マルチナの耳元で愛を囁くように声を潜めて言った。
「……後ろの壁に隠し扉がありますわ。ターゲットはそこから出入りしているのでしょう」
「あぁ、は、はい」
マルチナは声を殺して肯いた。
「向こうから出てきてくれるのを待ちましょう。なにしろわたくしたちには、捜査権限がありませんからね」
そして何か答えとしたマルチナの唇をルクレツィアは自分の唇で強引に塞ぐ。最初は小鳥が果実をついばむようなキス。
そこで一旦、ルクレツィアはマルチナから離れようとした。しかし今度はマルチナの方からルクレツィアに、かなり強引なキスをしてきた。
マルチナは振り返りルクレツィアを抱きしめ、少し背伸びして強引に唇を奪う。マルチナの舌がルクレツィアの口腔に進入して彼女の中で暴れた。
ルクレツィアの舌を見つけると、そのまま絡み合い、一つに溶け合わんとばかりにねぶり合う。
もうセックスだ、これ! 二次元では経験豊富だけど、三次未経験の女子高生百合オタには刺激強すぎ!!
いつしかルクレツィアの方からマルチナへと身を委ねるようになっていた。
主従逆転百合ックス、来ましたね。これ!!
溶けちゃう、熔けちゃう、融けちゃう、蕩けちゃう……!
マルチナの逆襲に、ルクレツィアの意識は混沌としていた。
「あの、ルーシ。私、その……」
キスを終えたマルチナは、膝が抜けるように立っていられなくなった。それはルクレツィアも同じだ。
ルクレツィアの手を取り、二人はよろけるようにベッドの方へ向かった。
このままベッドに倒れ込み、それこそ意識を失うまで愛し合いたいという欲望がルクレツィアの中にふつふつとわき上がってくる。
しかし今日、このホテルに泊まったのは任務の為。セックスの為ではない。その一方でルクレツィアはこのままターゲットが姿を現さないでいてくれたならとも思っていた。
頭を振り、その意識も振り払う。
ひとときの劣情に身を任せてはいけませんわ。ルクレツィア・イズミール。マルチナとの将来の為にも、今は我慢、任務が優先ですわ!
そして壁の向こうの気配に注意を巡らせる。出てきそうな気配もあるが、まだ一押しが足りないのだろうか。
仕方ない。マルチナに恥を掻かせるわけにはいかない。それ以上に最愛の人の肌を、犯罪者に見せたくはない。
ここはこのルクレツィア・イズミール自身が、任務の為、文字通り一肌脱ぐしかありません!!
「ルーシ?」
急に熱が冷めたようなルクレツィアの様子に、ベッドに座ったマルチナは怪訝な顔をした。
ルクレツィアは背後の壁に隠れているターゲットに悟れぬよう、静かにとマルチナへジェスチャーで合図を送ると、ベッド脇に立ち上がった。
そして背中にあるホックを外した。ワンピース式の深紅のドレスは、ふわりとルクレツィアの足下に落ちた。
そこには下着姿のルクレツィアがいた。ブラジャーとショーツもドレス同様、深紅。
あ、この世界、技術的は20世紀半ばくらいだから、セクシーな下着も、エッチな下着もあるから!
エロいな、20世紀!!
「あ、貴女に見て欲しいのですわ。わたくしが変わってしまっていないかを……」
マルチナ相手だったら下着姿くらいどうという事も無い。裸どころか、親にも見せた事の無い部分も、お互い見せ合っている。
しかし会った事もないターゲットが壁の向こうから様子を伺っているとなると話は別だ。
それもターゲットは交際相手の女性を何人も殺し、無関係の女性も強姦している、何度殺しても飽き足らない女の敵! それになんと言っても男なのだ!!
そもそもルクレツィアたちはその男を殺しに来ているんだ!!
しかしターゲットの男の視線を意識してしまったルクレツィアが恥じらっているのを見て、マルチナの中で何かのスイッチが入ってしまったようだ。
マルチナはルクレツィアの大理石のような白い太ももにすがりついた。
「ご奉仕いたしますわ。ルーシ」
シスター服姿で! 上目遣いで! 潤んだ瞳で! それは犯罪ですわよ、マルチナさん! おっとルクレツィアの口調が移ってしまったけど、彼女も大体同じ事を考えていた。
もう明日どうなってもいい、このままマルチナと堕ちる所まで堕ちてしまおう。その結果が死でも構わない。将来などどうでもいい。
愛する人と一つになる事がどうしていけないのでしょう!
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