第16話 試験の後
転入試験全試合が無事終わり、任務受付カウンターにて試験結果が張り出されていた。
医学魔法大学院転入試験合格者
ダイス、カナ パーティー
セイク、モリィ パーティー
以上
「やった! これで無事に目標達成だね!」
「あぁそうだな!」
俺たちは合格者の張り紙を見た後も2人で喜んだ。そんな俺たちの後ろでリヤ達がザワザワしている。
「おい! なんで無能ダイスが大学院行けるんだよ!」
「そうよ! だったら私たちも大学院に行かせなさいよ!」
耳をすませて聞いてみると、それは俺の大学院転入への批判の声だった。リヤだけでなく同じクラスメイト全員からの批判が殺到している。そんな中1人の少女がこっちに来て話しかけてきた。
「あら、おねぇちゃん。今更大学院? おめでとう」
その子はカナに煽り口調で大学院転入を祝ってきた。
「おねぇちゃん? カナ? どうゆう事?」
「私はカナの妹。ヒナよ」
そういえばカナには優秀な妹がいると言っていた。
「ヒナか。はじめまして」
「あなたがおねぇちゃんのパーティーメンバー?」
「そうだけど」
「こんな弱いおねぇちゃんと組むなんて。かわいそう」
ヒナはとてもカナを侮辱するような言葉を繰り返した。流石に耐えられなくなった俺は強めに言ってやることにした。
「そこまで言う必要ないだろ! カナだって頑張ってんだから」
するとカナは申し訳なさそうな顔で俺の発言を止めてきた。
「ダイスくん。いいの。」
何がいいのかわからない俺はカナにも反論をする。
「何がいいんだよ。こんなに言われてなんとも思わないのか?」
するとヒナが強気に言ってきた。
「あなた私たちの家系事情も知らないであまり首突っ込まないほうがいいよ」
そう言うとヒナはその場を去ってしまった。
俺はヒナの口の悪さにイライラしていると、転入試験を紹介してくれた大学院職員に俺とカナは呼び出された。
「ダイスくん、カナさん。ちょっとこっちに来てもらってもいいかな?」
俺とカナは、驚いたような顔で返事をした。
「は、はい。わかりました」
その後、職員について行くと案内された場所は学院長室だった。
「君たち2人に学院長から、話があるらしい」
「が、学院長から?」
カナがわかっていたかのように言う。
「やっぱり私たちの転入への批判の事ですかね」
「そう。とても大事な話だからしっかりと聞くんだよ」
俺たちは扉をノックし、学院長室へと入っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます