〜悪女は涙を流す〜

カオさん

第1話

〜悪女は涙を流す〜

ヤリマン、ブス、デブ、当たり障りの無い悪口が私の心を打ちのめそうとけれど、私には効かなかった。

悪口は無の感情からは生まれない、殆どが嫉妬や怒りが理由。

私より太ってる女子が私に"デブ"というのは何故だろう....?私が彼女自身に見えるのかしら....?

ヤリマンで居て何か悪いことでもある?新品じゃないといけない決まりでもあるの?使い古しはそこまでして蔑まされなくてはいけないの?

経験は多い方がいいでしょ?

悪口が私の心に傷を付けないのは私の心が強い訳じゃない、私にその悪口が当てはまらないから傷つかないだけよ…。

誰も自分をブスと思いながら生きてなんか居ない

誰だって自分を可愛いと思いながら生きているの。

誰かより私の方が、僕の方が、という訳じゃない

自分が可愛いと思うだけで誰かと比べているんじゃない、ただの自己満足と変わらない。

自分を批判ばかりする言葉は聞く必要は無い

自分を評価してくれる言葉だけを聞いていけばいいの...良かれ悪かれ、それは自分を真剣に考えて発してくれている言葉であると思えばいい。

誰かが自分の見た目をどう思うかでは無く、自分が自分の見た目をどう思うかよ。

悪い評価も、批判も、悪口も、耳を傾けるかは自分次第。相手を言い負かしたいと思ったり人と喧嘩するのが好きな"変態"でない限り、言い返すのはやめておいた方が良いけど....1つ許せない言葉があるの....その許せない言葉が私の足を前へ動かす様な事が....。

"容姿"...っていうのは人の感性やセンスで様々よね

"系統"と言って....まぁジャンルとも言うけど...まぁその辺は気にしないよね...。

系統で様々なファッションや体型、それはただの自己満や趣味にとどまらず仕事にまで幅広く愛されている.....。なぜ愛されているか....容姿に自信が無い人でも

服やメイク、髪型....そして体型....それ等を自分に合わせて身に纏うことで自分に"自信"が出るの。これが自分を変えるひとつのきっかけとして愛されている"ファッション"

そんな人のファッションや体型を笑う人がいる


「デブやん笑」「その服ダサ、合ってないよ笑」


モラルの欠けらも無い言葉を本人に向かって堂々と言う無礼者。教養のレベルは低く、自分の知能全てをトイレに流す様な頭の悪さで、自分が相手の体型にとやかく言えるほどにお高い存在と勘違いしているゴミみたいな知sy.....ごめん熱くなっちゃって....。

そう、私が一番聞き逃せないのが"容姿批判"

けど言った通りもう言われ慣れたというか...元から効かなかった.....簡単なことよ、"批判に耳を貸す必要が無い"からよ。

けどね...それは私だからそういうスタンスが取れているだけで、私以外にも勿論容姿を笑われている人がいるの.....そんな状況を見ると流石の私でも、いてもたってもいられないの。自分が大丈夫なら、自分以外の誰かを守れるようになるの。

男と女には違いが多くあるけれど、2つ共通するのが

男も、女も、どちらも"同性を思う気持ち"と"同性の気持ち"が同じく分かる...この2つ。

私は人としての評判は悪いまま。きっとこの先も、変わることはないのだろう....その事実に絶望なんてしない...評判が悪くても、死んでいなければ...痛くも痒くもないね。

"死ぬこと以外かすり傷"

よく言った言葉ね、どれだけのダメージを負おうとも生きてさえいれば0ダメージと変わらないんだから。

でも私も死を恐れる....自身の身に死が近付いていると感じると冷静じゃいられない....!体が震えて止まらないの.....あぁ...恐ろしい...!

死より恐れていることだってあるわ、それは....


"友達が死にたいと思う気持ちを本気と思わなくなる"


わかりやすく言うなら「関心が無くなる」

私はもう友達の口から"死にたい"という言葉を聞きすぎているの....その度に相談に乗ってきたわ....!

しかし大したことは言わず「大丈夫」と私に言うの。

その友達はその後インスタに誰かと楽しく遊んでるストーリーを上げてる....初めっからあの言葉は嘘だったかのように....!

私は「なんだ、元気になったんだ!良かった!」と思ったけど...それだけじゃない!この先何回も!何回も!何回も同じように「死にたい」と言って、その度に私が相談に乗ったわ...。

死にたいという友達は決まっていつもこう言うわ


「死にたい。薬飲んで死にたい。誰にも会いたくない。もう鬱になって何もしたくない。」


心配する私を嘲笑うように誰かと会っているストーリーを我が物顔で上げている....!もう私は限界だった!

私が心配したって結果的に彼の気分が一時的に悪かったに過ぎない....長期的な精神の疲弊では無かった!

一時の感情だったのよ、彼の言う「躁鬱」は。

そんなことがあってから誰かの「死にたい」という言葉に疑いを持ってしまう....どうしても本気だと思えないの....。

散々振り回されたわ....でも...私もバカよね......

ホントに死にたい人がわざわざ皆が見るストーリーで

堂々と「死にたい」と言うわけないよね....

それに何回もされたなら分かるはずなのにね.....

死にたいのが"嘘"だって。

誰の目から見ても明らかな事を私は気づかなかった

簡単なことなのに...."死を多く口にする人ほど死ぬ気が無い"...と。

私も冷静じゃ無かった....こんなことで頭を疲れさせるのもまだまだ未熟のようね、私も。

私も人間関係に悩んで、死にたいと思ったことはある

けれど怖くて死ななかった…一時の感情は死を完遂させる動力源にならない。包丁を持つことしか出来ない。

私も彼も同じ死に損ない。一時の感情で命を落とそうとした愚か者同士、命は自分のモノと思っている。

命は少なくとも自分のものでは無い、自身を産んでくれた母と父、そして自身を愛してくれる恋人に信頼すべき友人.....これでも命は自分のモノ?

......自分のモノなら...今すぐ死んでみたら?

喉を切ってもいい、窒息でも溺れても、自身が生活している空間はいつでも死ねる空間でもあるのよ?

自分の命を好きなように出来るのなら、彼の思うように死んでみたらどう?

.....どうしたの?怖い?死ぬのは怖い?

死を選んでいるくせにどうして命に目を向けるの?

生きていたい?それは何故?死んだら楽になって天国に行けるかもしれないのよ?


「皆と離れたくない」?


それは、自分が死んだら皆が悲しむから?...そうじゃないかもしれないよ?だーれも貴方が死んでも悲しまないかもしれないよ?

自分の命でしょ?誰が悲しもうが......


関係無いでしょ?



.....なんてね、冗談よ笑

けれど分かった?自分の身勝手な思いで命を捨てるのがどれだけ怖く、愚かで寂しいことか....。

脅かすようなことしてごめんなさい、自分勝手な人にはつい強気に出てしまうの。

死は口で言う程簡単な行いじゃないのよ、命は自分だけのものじゃないのよ。

さっき言いかけたけど、私もかつては死のうとした。

何年も一緒に過ごしてきたし、いっぱい遊んだ友達がある日私の目の前で自動車の事故に巻き込まれ死んだ....。体はグチャグチャで、体の臓器が油絵の如く道路にべっとり付いていたわ.....。

嘘だと思った....頭の中で何度も「嘘だ嘘だ嘘だ!」と言い続けてた...でも彼女は帰ってこなかった。

一度は彼女を轢いたドライバーを恨み憎しみ...毎夜毎夜毛布の中で涙を流していた...でも次第にその憎しみは無くなり、残ったのは形容しがたい喪失感だけだった。

いつもいた存在は居なくなり、心にはぽっかりと空きが出来てしまった.....。涙を流して彼女が戻ってくるのならどれだけ良いことか.....。

大切な人が突然居なくなったショックと絶望は、いつしか私を死に導いた.....

正気じゃいられない...!死にたい...!死にたい...!心の中が死で埋め尽くされていく.....。

包丁の刃先を首に向けて、頭の中でかつて彼女と過ごした日々を思い出し感傷に浸る。

懐かしさに涙を流し...涙の雫が頬を撫で落ち顎下へ伝わり、そして落ちていく.....

何をしてるんだ私は...死ぬんじゃないのか?

包丁を強く握って思いっきり首を切りつけようとした..........

....つもりが動かない...腕が動かない.....。

私は分かった....私には誰かを思い死ねるくらいの度胸と、何もかもを捨て去る覚悟が無い....と。

包丁を元あったところにしまうと何も言わずに自分の部屋へと戻った。ドアの鍵を閉め、カーテンも締め切った暗く重い空気の漂う自分の部屋にね。

死のうとした自分への恥ずかしさと、結局死ななかった自分への呆れで体を動かすやる気が無かった....。

あぁ....なんて恥ずかしいことを...自分が本当に恥ずかしい...あぁ...!穴があったら入りたい!!!

.....死んでも楽にはならない、死んだら楽になれない。

死ぬしか手段が無いわけなんて無い

生きている限り楽に生きる方法なんて幾らでも思いつく、できないことなんてないよ。

私の未遂で終わった自殺の後は、過去を心の中にしまい思い出さぬように鍵をかけておいた。

考えをポジティブよりにして、何を言われようと傷つかなくもなった。自分が変わる為ならこの命すら賭けて変わるわ、貴方はどう?...貴方って今コレを見ている貴方に言ってるのよ?

どうしようもない人生のドン底の中、死を選ぼうにも死ねずに途方に暮れる自分....それでも人生を賭けて自身を変えようと....そう思える?

人によってはいとも容易く死ぬことが出来るかもしれない....けど死んでも楽にはならない

持っていたものを失い、オマケに大切な人や友達、家族を失うことになる....死んで得することなんてある訳ない!

死をネタに人を振り回す人には言いたいことが山ほどある....けど言わない、言うべきじゃないの。

言いたいことをはっきり言うのは全てじゃない

言っていいことと悪いことは区別しないとダメなの。

これは私がいつも思い続けてる言葉.....


「言葉に出すのはそうでない証拠

声に出すのはそうである証拠」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

〜悪女は涙を流す〜 カオさん @KAO_SAN

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ