それぞれの恋(全9回)

黒っぽい猫

第1話 駅舎にて(不思議な夢)

朝方、不思議な夢を見ました。


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近場の温泉に1泊旅行に行こうということになった。

先輩2人と友人2人と私の5人が駅で待ち合わせした。


温泉近くの田舎の駅舎に現地集合。

いちおう全員揃ったみたいなので温泉旅館に電話した。

旅館からの送迎バスを待っているところ。


駅舎の前にはタクシー乗り場とロータリーがあるだけ。

駅前に数件古い店舗があるけど、みんな閉まっている。

真夏で日差しが強く、ミンミンゼミが鳴いている。


友人は「やっぱ小田急がイイよねー」と言う。

私は「そうかな?私は東急がイイなー」と言う。

何がイイんだかよくわからないが「フィーリング的にイイ」

無意味な会話。この駅はJR東日本だっていうのに。

JRがダサいとか、そういう意味で言ってるわけでもない。

デパートの話なのか? それもわからず相槌打ってる私。


駅員のいない無人駅で、電車を待つ人も1人もいない。

待ち合い室とか気の利いたものはないけど長椅子があった。

30分後にバスが来るそうなので、座って待つことになった。


足元に小銭が散らばっていた。誰も拾おうとしない。

「もったいない。」と思って私はひとつづつ拾った。

100円玉と50円玉と10円玉で合わせて480円あった。


友人が「お金拾ったら交番に届けないと」と言う。

駅前に交番があったが、パトロールに出てるのか誰もいない。

私:「だって届けると書類書いたりしないといけないんだよ」

友人:「そうなの?」

私:「そうだよ。面倒なんだよー。いいよ。もらっちゃう」

友人:「あ、そんなことしていいのー?」

私:「いいよ。いいよ。誰も拾わないんだから」


お金を財布に入れようとして私は気づいた。

10円玉に、発行年の他に何か文字が書いてある。

「昨年の刑事被告人17523人。うち正当な弁護を受けられた人1463人」

と書いてある。

私:「最近は司法試験の合格者が多いのに、どういうこと?」

友人:「儲からない国選弁護は誰も引き受けないんだよ」

私:「そうなのかー。今はどんな職業が儲かってんの?」

友人:「そりゃ、水商売とか風俗とかでしょ」

私:「そうなの?」

友人:「そうでしょ。酒と女はいつの時代も儲かるのよ」


別の10円玉には、

「HIV感染者××××人。前年より×××人増加」

などと書いてある。

私:「へー。最近の10円玉にはいろいろ書いてあるんだねー」

友人:「知らなかったの? 何年も前からそうだよ」


狭い駅舎の出口あたりに棚があり、落し物や忘れ物が置いてある。

その中に適当な大きさの新品に近いスポーツバッグがあった。

私:「あ、コレ、いいなあ。もらっちゃおうかな」

友人:「そんなことしていいの?」

私:「だって、自由に持ってってくださいってことでしょ」

友人:「いやいや、持ち主の人に持って帰ってくださいってことだよ」

私:「ま、いいじゃん。置きっぱってことはいらないんだよ」


ということで私は自分のカバンに入れてた着替えを詰め替えた。

すると、先輩が私に気づいて言った。

先輩:「ちょっと。それ、私のだから。返して」

明らかに嘘。こんな駅に先輩がスポーツバッグを忘れるワケない。

でも、先輩だから仕方ない。ハイハイわかりました。

嘘に決まってるけど、面倒くさいから返すことにした。


私:「え~。そうなんですか~。すみませんでした~」

一旦詰め替えた着替えをまた自分のカバンに詰め替えていたら。

先輩:「あ、それもあたしのなんだけど」

私:「え? そんなはずないですよ。これは私の着替えなんですよ」

先輩:「あれ? そうだっけ」

私:「そうですよ~。私の着替えがなくなっちゃうじゃないですか」



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そこで目が覚めました。


ミョーにハッキリした夢だったので起きてすぐ書き留めました。

雰囲気からすると、大学時代の話なんでしょう。先輩もいたし。

だけど友人も先輩も誰なのか思い出せません。


10円玉に政府広報的なことが書いてあるのも不思議な気がしました。

一部は数字まで覚えていて。もちろんこの数字はデタラメです。


フロイトやユングなら、この夢をどう解釈するんでしょうか?

アニメ映画パプリカでは「朝方の夢は長編映画みたいなのが多い」

と言ってたけど、私の夢は特に意味のない短編のような気がします。

それも、ぜんぜんインパクトがないのに目が覚めるなんてねえ。

何か深い意味でもあるんでしょうか?


次回から夢の続きを創作して書きます。






つづく。

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