不思議なカレラ ~ The word chain game ~
酸化酸素 @skryth
再会
第1話 蒼銀の美姫
春は昔から別れと出会いの季節と言われている。これはそんな季節から始まる一つの物語。
少女が「魔界」から人間界へと戻り月日は
少女が日々
そこに現れた一人の女性。
「あら?これは何と言う花でしょう?大変綺麗ですわね。いつか、持って帰りたいものですわ」
「あぁ、風が清々しいですわ。そして風に舞う桃色の花びらが、とても情緒的で風情がありますのね」
女性は青味がかった銀色のドレスをその身に
正面のたわわに実った双丘はガードが硬い様子で、露出が多い背中とは打って変わって肌色を覗き見る事は出来ない。
拠ってその豊満な胸元すら披露していないが、折れそうな程に引き締まった腰の線との対比が絶妙な色気を醸し出してた。
ツヤがあり腰にまで掛かる長さの銀色でストレートの髪の毛は、後ろで一つに束ねられており、際立つほどに整っていて美しいその顔立ちを引き立たせている。そしてその整った顔には目立つ瞳が活き活きと輝いていた。
それは赤と蒼の対照的な色味を持つオッドアイだ。
この女性は
蒼銀のドレスが風にたなびき、花びらを伴ったピンク色の風が流れていく姿に目を止めない者など、誰一人としていないワケがない。
だけどこの女性は、その違和感すらをも取り込んでいる。だからこそ、その光景が「
要は「絵になる立ち姿」と言うヤツだった。
この女性とすれ違う老若男女問わず誰しもがその歩みを止め、その女性を目で追い掛けていた。
そんな優雅な出で立ちと綺麗な顔立ちを両立させている、そんな女性がたった一人で桜並木の川沿いを歩いているのだった。
すれ違う歴戦の
それはまるで
漫画的表現なら目がハートマークになり、頭のてっぺんから❤がたくさん溢れていたかもしれない。
そしてその女性は、出で立ちが
人々はその女性の名前を知らない事から容姿由来の
「
少女は屋敷で
直で少女の元にやって来る
その単語に興味が湧いたので「何かしら?」と軽い気持ちで
お茶でもあれば啜りながら
詳細は簡単に言ってしまえば、告白の幇助だ。そんな
しかし内容を読み進めていく程に馬鹿馬鹿しくなっていった。
要点だけ纏めると、一目惚れした男性が意中の女性に告白したいのだそうだ。だけども、どこに住んでいるのかも分からずそれ以前に名前すら知らない。自分には探すアテも無いから探して見付け出して欲しい。
更には連絡先も聞いて来て欲しい。
と言った内容だ。
それは読んでいる方が恥ずかしくなる程だ。
そして、似たような
「あぁ、なんとなく公安が
「でも、探し人が
少女は素直な感想を述べただけに過ぎない。だからモチのロンで受けるハズも無い。
ただその「蒼銀の美姫」という渾名だけは心に留めて置く事にしたのだった。
人から「美姫」とまで呼ばれる女性がどれ程の「美しい姫」なのか、
少女はそれ以外に、少女の
だから「今日はオフにしましょ」と開き直った様子で呟くと、セブンティーンに乗り込み久し振りにドライブに出掛ける事にしたのだった。
少女がセブンティーンで走り去っていく姿を、爺を始めとした3人がいつものように玄関先で見送っていた。
少女は気分でステアリングを切り、行く宛も無いドライブを楽しんでいる。少女の心持ちを反映する様子で、セブンティーンの低いエグゾーストノートは軽快にビートを刻んでいく。
季節は春で
窓を開けるとセブンティーンの中に入り込んで来る風がとても気持ちよく感じられた。
少女はふとしたきっかけでセブンティーンを道端に停め、大地を踏みしめ気持ちの良い空気を胸いっぱいに吸い込んでいく。
そしてそこから見える景色を眺める事にした。
「たまには息抜きもいいわね。じゃないと季節を忘れそうだわ」
「でも今日は桜が見頃だったのね。息抜きにここまで来てラッキーだったかも。えへへ」
「でもいいなぁ。みんな幸せそう。アタシも1人じゃなかったら良かったのになぁ…」
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