さよならセンチメンタル

行方かん(YUKUKATAKAN)

第1話

 本田が高架橋から飛んだ。

 延期されていた航空祭が、付近の基地で行われた翌日だった。


 友達の恋愛相談を、「そんなの当たって砕けちゃえ」と、笑って檄を飛ばす女の子だった。「悩むより行動」が口癖だった。サバサバしているようでいて、実は女子でいることに決して手を抜かない子だった。


 何かに悩んでいるようには見えなかったのに、そのハツラツとした笑顔の裏で、人知れず大きな問題を抱えていたのだろうか。


 その答えを本人に聞くことは、もうできない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る