番外編 『柊 雪璃のモテ事情』
「柊くん……」
少女漫画やドラマで散々聞いたそのセリフ。憧れ……るまではなかったけどキラキラして見えたそのセリフをまさか自分が聞く事になるとは。
「好きです!その、よかったら付き合って下さい!」
嬉しい(?)ことに高校に入って女の子からの告白が増えたっちゃ増えたんだけど、
今日はいつもに増して告白してくる子が多い様な気がする。
「あ……成程……」
と今日がバレンタインだったことを思い出す。
そこで合点がいった。
「柊くん……?あの、」
「えっ?ああ!ごめん、ぼーっとしてて!」
「あっはい、いや、いえ……」
「えっと、告白の返事だよね。言い辛いんだけど……ごめんなさい。君とは付き合えない。」
「そっそうですよね!柊くんと私が釣り合う訳ないし……」
何度告白されてもこれは慣れる気がしないな……良心がいたむというか……
「えっと、最後に良いですか……?」
「へ?」
「どうしていつも女の子達から告白を受けているのに誰とも付き合わず振っているのかなって……」
えっあれ?気弱そうなのに意外にグイグイくるなこの子……じゃない!えーと、なんで?なんでと聞かれても。言い訳考えないと……好きな人がいるから?
いやこれは余計に詮索されるか……えーとえっ〜と……言い訳を言い訳……
「ぼっ僕、男の子が好きなんだよね!!!」
何言ってんだ自分ー!!!
いやそりゃポカーンだよ!目の前の子固まってるもん!!
「えっいや」
「なるほどです!!」
えっ嘘、納得するの!?自分でも驚いてるのに!?
「つまり柊くんが受け取るのはどんなに可憐な花より勇ましくの美しく咲くバラの花……そういうことですね!!」
「いやっ違っ、」
バラって何!?というかこの子告白してきたときより生き生きしてるんだけど!
「もっもちろん!この事は口外いたしません!柊くん!頑張って下さいね!!」
「何を?!」
「それではどうかお幸せに〜!!」
「えっちょっ待って誤解なんだって〜!!」
……行ってしまった。嵐が終わった……絶対あの子勘違いしてったよね……まぁ元々つい口任せに思ってもないような事言ったのが悪いんだけどさ。絶対に同性が好きな男と思われたよな……
……消えてしまいたい(泣)
初の番外編そして初の雪璃視点です。モテる人間は大変だ……
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