君ともう一度

@yuzupon0321

第1話 日常

最近よく考える

俺はなんの為に生まれて、なんの為に生きているんだろう。

俺がいなくても世界は変わらない。

退屈な毎日

平和な日常

不満があるわけじゃない

どちらかと言われれば、幸せ....なのだと思う。


「はぁ。。。。鬱なのかなぁ」

つい漏れた独り言を彼女はしっかり聞いていた。


「ちょっと!何馬鹿なこと言ってんのよ。こんな可愛い彼女がいて、鬱!?しっかりしなさいよね悠人(ゆうと)!!」

遥禾(はるか)は笑いながらそう言うと、バンバンと俺の背中を手のひらで叩き、満面の笑みを俺に向ける。


「自分で可愛いって言っちゃ駄目でしょ」

「なーに?悠人くんは可愛いって思ってないのかな?」

「はいはい。遥禾は可愛いですよ。」

「ぶーー!だめでーす。言い方がテキトーだからもう一回!」


こんな何気ない恋人の会話

幸せを感じないわけじゃない。

周りから見たら、十分幸せいっぱいのカップルに見えるだろう。

でも、上手く言えないけど、現実感が無いような...そんな感じがする。


「なぁ...遥禾はさ、なんの為に生きてるんだろうとか考えたことない?」

「おっ?哲学かな??」

「うーん....考えた事無いわけじゃないけど、誰かが私を幸せにしてくれてるように、私も誰かを幸せにする為に生きてるんじゃないかなって思ってるよ!だから悠人には元気でいて欲しいかな♪」


お日様のように明るい笑顔

確かに俺は幸せを感じている。

でも....


「悠人は働きすぎかもね。疲れてるんだよ。しっかり寝ないとだめだよ!」

「ちゃんと寝てるって。3時間は....」

「少いよ!しっかり10時間は寝ましょう!」

「子供の睡眠時間かよ....」


こんな他愛もない会話をしながら、俺たちはデートをしていた。

そして、明日も明後日も変わらない日常が続くのだと、俺は思っていた。

いや.....そう願っていたのかもしれない。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る