ゆきこの記録帳(闘病記)
澄田ゆきこ
6/22 『ベルリンは晴れているか』深緑野分
6月22日。不動産屋が休みなので、今日はOFFの日。
湿っぽい風が入る1Kのアパートで、だらだらと過ごす。
体重計を測ったら見たことない数字が出ていた。離島に滞在している間(『離島日記』参照)、やたら栄養状態がよかったからか。そんなに肉がついた気はしていなかったのに、驚きの数字。焦った勢いで走りに行ったが5分息がもたなかった。
汗が引くまでしばらくだらんとする。洗濯をしようとしたら柔軟剤がなかったので、ボトルをゆすいだ水を入れてまわす。終わったら干すのが面倒なのでコインランドリーにぶちこむ。昼ご飯(とうふそうめんにめかぶと納豆かけたやつ)を食べ終わると、いよいよやることがない。静かな平和。だけど少し退屈。
こんな時は本を読んでおきたい。読みたい、じゃなくて、読まなきゃいけない気がする。作家を目指している以上は、読書量は必須。そうは思っていても、ここ半年、ものすごいスローペースでしか本が読めていない。
ただ、私は近頃ある発見をした。煙草を吸いながらだとちょっと集中できる。
薄曇りの日差しにじわじわ熱されながら、風だけは涼しいベランダで、咥え煙草でページをめくる。最初は騙し騙し、時々youtubeなんかを見ながら読んでいたけれど、そのうち少しずつ集中できるようになった。
3時ごろ、豆腐だけの昼食では空腹に限界が来て、決意は早々に敗れる。ご飯を炊いてレトルトカレーを食べた。
今日読んだのは『ベルリンは晴れているか』。戦後間もない占領下ドイツが舞台の話。時間軸として近い『同志少女よ、敵を撃て』を読んでいたからか、ソ連兵士のあれこれ(NKDVとか)がさらっと頭に入って来るのはよい。
(『同志少女』は筆がどうしても乗らない時期に写経していたくらい好きな本だ)
ミステリー仕立てでもあり、戦後ドイツの風俗を色濃く描写した小説でもある本作は、生々しい生活感とストーリーの面白さが両立した傑作だった。
読書はいつも、読んでいる時はマラソンを走っているようなしんどさがあることもあって、けれどたいてい、読み終わった後はすっきりと晴れやかな気分になるから不思議。
高校生の頃から付けている読書記録は、525冊目の記録を点け終えたところ。
ベルリンの空と一緒に私の心も少し晴れたみたい。本日2冊目に手を伸ばす。
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