第18話 社会人の夜、寝る前にすること

 寝る前の二時間、

急に学習意欲が湧いてくる。


何かをインプットしたい。

しかし、何を吸収すれば良いのかわからない。


社会人に成り立ての時は、

一般教養を身につけなければ。


それはもう必死だった。


 ある程度、一般社会に慣れてしまい、


危機感が薄れていってしまったのだろうか。


不安やコンプレックスをバネにとは言うが、

いまいち体感できない。


老いというものが訪れたのだろうか。


 することといえば、

三十分程、SNSを徘徊し、友人にLINEを送る。


自分が忙しくないせいか、

周りにも似たような人間が集まり、


小一時間程、やり取りをする。


「ああ、もう九時前か。」


身の周りに置いてあるスマートフォン、

音を消す設定にし、充電器に挿す。


 仕事はそこそこ充実しているが、


「プライベートはいまいちだなぁ」

と思いつつ、喉を潤す。


「買った本の中で読んでいないものを。」

と思っては手を伸ばす。


そして、夜、十時を迎える。


「今日は早めに起きたから休むのも早めにするか。」


ごろごろしはじめる。今夜はぐっすり眠れそう。


次の日は反動で夜更かしをしてしまう。


一日おきに睡眠の長い日と短めの日を繰り返す。


昨日も似たようなことを考えていた気がする。

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