第17話 毎朝、何処へ行くのか

朝、6時半に目が覚め

いつもの太陽の光が

緑色のカーテンから

透けて入ってくる。


棚に置いてあるフェイスタオルを

手に持ち洗面所へと向かう。


梅雨のなんともいえない寝汗と共に、

顔にも少し汗をかいている。


そして歯を磨く。

少し吐き気がするが、いつもの事だ。


きっと年齢のせいもあるだろう。


冷蔵庫からパンを出し、トースターに入れる。


コーヒーを準備し、

パンが焼けたら、

朝食のはじまりである。


 再び、少々の吐き気と共に朝食を済ませる。


 あと10分で自宅を出ないと、

仕事への電車に遅れてしまう。


 ここまでは良い。


毎朝の自分への問答が始まる。


「なんで行かないといけないのか?」


「どうして行かなければならないのか?」


こういった疑問が、毎日繰り返される。


 いったいどれくらいの人達が

思っているのだろうか。


きっと本当は別のところに

行きたいのかもしれない。


しかし、それが何処なのかがわからないのだ。


 もしくは、他のところに行けば

幸せになれるような気がする。


それも気のせいかもしれない。


「また同じような疑問が浮かんできてしまうのではないか?」


 結局、いつもの日常を終え、自宅に帰る。


「なぜここに帰ってくるのか?」


それは住所が「ここだから。」である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る