第174話 ピンク色が滴り落ちた

 〈アコ〉のモッチリとした太ももと、隠しきれない大きなおっぱいと、ピンク色に包まれた豊かなお尻が、目に飛び込んできた。

 こぼれて、溢れそうだ。

 引き裂かれなく済んだ。

 嬉しい。


 〈アコ〉は、顔を桃色に染めて、「〈タロ〉様、見ても良いですと言いましたが、そんなに見詰めないで。私、恥ずかしいですわ」と消え入りそうな声で言った。


 「ごめん。〈アコ〉の姿が、あまりにも色っぽくて、まるで美の化身だよ」


 「まあ、〈タロ〉様。いつも褒めすぎですわ」


 「そうじゃないよ。〈アコ〉は、他の誰よりも、誓って最高の女性だよ。また、魅了されたよ」


 「もー、もー、そんなこと言わないでください。こんな格好なのに困りますわ」


 〈アコ〉の、ピッタリ閉じていた太ももが、少し開いているのが見えた。

 閉じておくのに疲れたのと、僕の言葉に気を取られたんだろう。


 太ももの奥に、濡れたピンク色が見えてきた。

 おっ、地面にも見えたぞ。


 僕は、〈アコ〉の太ももの間に右手を突っ込んだ。


 「キャー、キャー、信じられません。困っている私にエッチなことをするんですか。

 あそこを触ろうとするなんて、いくら〈タロ〉様でも、許せませんわ」


 〈アコ〉は、怒った顔で僕を睨みつけてきた。

 ただ、目は少し悲しげだ。


 僕の右手は、〈アコ〉のモッチリとした太ももに挟まれている。

 左右から、温かくて柔らいかい感触に包まれて、とっても幸せだ。


 「〈アコ〉、ちょっと待ってくれよ。あそこを触ろうとしたんじゃないよ」


 「じゃ太ももを触ろうとしたんですか」


 「それも、違うよ。地面に桃色の石が光ってたんだ」


 「えっ、本当に」


 「嘘じゃないよ」


 〈アコ〉は、太ももを開いて、僕の右手を開放した。

 もっと挟まれていたかったと、右手はオンオン泣いている。


 〈アコ〉は、もっと両足を開いて、真下の地面を覗き込んだ。


 〈アコ〉が、大きく足を開いてしまったので、ピンク色のショーツは丸見えになっている。

 〈アコ〉、なんて大胆なんだ。

 他のことが気にならないくらい、水晶が欲しいのか。


 〈アコ〉は、地面の上で光っている、小さな桃色の石を慎重に摘まんだ。


 「あぁ、〈タロ〉様。本当にありました。間違いありませんわ。紅水晶です。見てください」


 〈アコ〉の指先には、小さいけど濃い桃色の紅水晶の結晶があった。

 まるで、〈アコ〉のショーツから、ピンク色が滴り落ちて、今結晶化したようだ。

 濡れているような、テラテラとした輝きを放っている。


 「本当だ。紅水晶だ。〈アコ〉、良かったな」


 「はい。とっても嬉しいです。〈タロ〉様、ありがとうございました。

 私だけ、見つけられなかったら、どうしようと思っていたのです」


 〈アコ〉は、半泣きになりながら、僕に抱き着いてきた。

 嬉し過ぎて、自分の今の格好も忘れているんだろう。


 僕は〈アコ〉を優しく抱きしめた。


 薄いシャツ越しに、〈アコ〉の体温と嬉しさが伝わってくる。

 もちろん、フルンフルンおっぱいも、凄まじい破壊力でブルブルと伝わってくる。


 〈アコ〉は、「あっ」と言って、直ぐに僕から離れた。

 僕に抱きしめられて、自分の今の姿を思い出したのだろう。


 「〈タロ〉様、すいません。自分で言っておきながら、近づいてしまいました。

 どうしても、〈タロ〉様と嬉しさを、分かち合いたかったのですわ」


 「僕も嬉しいから、気にしていないよ」


 「うふふ、それでは、もっと私の紅水晶を見てくださいな。

 こんなに色が濃くて、綺麗に結晶しているのですよ。先も綺麗に尖っていますわ」


 〈アコ〉は、指先の紅水晶を飽きずに見詰めている。

 キラキラした幼い少女のような目をして、顔はニコニコとほころんでいる。


 おっぱいのことは、忘れているのか隠していない。

 僕のシャツでは、窮屈だという主張をフルンフルンとしている。

 〈アコ〉のおっぱいの形に膨らんでいる、僕のシャツは幸せものだな。


 僕は、紅水晶を通り越して、二つの可愛いピンク色の尖ったものに目がいってしまう。

 色は薄くて、光っては無いけど。


 紅水晶より、〈アコ〉の二つの尖ったものの方が、断然綺麗だから、どうしようもない。

 そこが時々固くなるのは、〈アコ〉のおっぱい成分が結晶化するのだろうな。


 もっと見てたいけど、帰る時間だ。他の人が待っている。


 「〈アコ〉、服が乾いたようだから、着ようか。もう帰る時間だし」


 「はい。分かりました」


 〈アコ〉は、大事そうに紅水晶をハンカチに包んで、服を着替え始めた。


 あれれ、僕は後ろを向かなくても良いのか。

 〈アコ〉は、紅水晶を見つけられた嬉しさで、頭から、他のことは飛んでしまったのだろうな。


 後で、落ち込む〈アコ〉を見たくない。

 僕は、断腸の思いで、〈アコ〉に言った。残念過ぎて、大腸がのたうっている。


 「〈アコ〉、まだシャツを脱がないで、まだ僕は後ろを向いてないよ」


 「キャー、〈タロ〉様。見ないで。直ぐ後ろを向いてください」


 〈アコ〉は、シャツのボタンを外し終えたところだ。

 両手で胸を慌てて隠している。


 シャツの隙間から、一瞬、二つの可愛いピンク色の尖ったものが見えてしまった。

 生で見てしまった。


 僕が慌てて後ろを向いた後、「うぅ、〈タロ〉様。見えました」と〈アコ〉が聞いてきた。


 「良く見えなかったよ」


 「良く? もう、しょうがないですね」


 〈アコ〉は、急いで服を着たようで、直ぐに

 「〈タロ〉様、お借りしていましたシャツをお返ししますわ」と言ってきた。


 僕は、〈アコ〉からシャツを受け取り、急いでボタンをはめていった。

 横目で見ても、〈アコ〉が、落ち込んでいる様子はない。

 むしろ、まだ上機嫌のようだ。


 ハンカチに包んだ紅水晶を慎重に、スカートのポケットにしまっている。

 嬉しそうにポケットの上から、ポンポンと紅水晶を叩いて、ニッコリと微笑んでいる。


 「さあ、帰ろうか」


 「はい。〈タロ〉様、帰りましょう」

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