ハルカ ―想い―

 家の近所に住む男の子。名前は木下ミノリ。

 俺より背が低いが、成長期だからまだ伸びる可能性があるけど。

 ミノリは――彼はその躯に傷を抱えていた。必死に隠しているつもりだけど、俺には判る。

 本人は隠しているつもりだから、なにも言わない。なにか言って傷つかれるのは嫌だ。これ以上、傷つく姿は見たくない。

 ミノリには友達と呼べる人が殆んどいなかった。唯一友達と呼べるのは俺くらいだろう。


 ――でも、ごめん。


 俺は友達とは思っていない。

 そんなことは言えないから、心に留めておくしかないけど。




 

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