3-16 魔国の振興と今後の方針
「んじゃ、生理になったり、妊娠したら飛ばしで良い?」
「はい((((はい))))。」
着々と話が進んでいる…。
どうやら、今日からスタートするようです。
「あ、あとあたし達のファミリーになったから、渡すものがあるよ~。
じゃじゃーん!見て!この下着!ダーリンが型を起こしてくれたんだよ!」
「え!カズしゃん(シメさん)(シメしゃん)(カズしゃま)が?」
「そうだよ~。これ、すごくエッチいんだよ。でも、すごくフィットしててね、着心地が良いんだよ。
それと、これがナイトガウンね。
これね、ここが見えるか見えないかがポイントだから、後でサイズ直ししようね。」
「魔王…、いえ、まどかさん、このような素晴らしいものをいただいてもよろしいんでしょうか?」
おずおずとナタリーさんが聞く。
「ん?だって、みんなダーリンの妻でしょ?
だったら、みんな持たないとね。
んと…、9人か。ダーリン、このメンツは凄いよね~。」
「そうだと思う…。
しかし、魔王に精霊族にダークエルフに四龍…。その旦那が何のスキルも持たない俺ってどうよ?」
「ん?スキルは無くても称号を3つも持ってるよ。
それに、“再生”と“四龍の主”は凄いよね。」
「いや、“再生”ではなく“愚者”だよ…。」
・
・
・
「えと、みんな集まってくれたから、今後の魔国について話し合いまーす!」
司会進行はまどかさん。なんだか学級会を思い出す。
「それじゃ、ダーリンが作ってくれたモノを順番にリストアップしていきますね。
ルナ、お願い。」
あ、いきなりルナさんに振ったよ。
ま、司会進行だから良いのか…。
「はい。
では、先ずは下着と生理用品。これは魔国の全女性に配布済みですし、男性にも男性用下着…何て言いましたか…、あ、そうそう、ブリーフを渡してあります。
次にお風呂です
現在、麓の街に公共浴場を建設中で、後1週間くらいで完成します。
これで、衛生的にも良くなると思います。
さらに、ボディシャンプー、シャンプー、リンス、これも順調に生産されています。」
皆がうんうんと頷く。
「農業も順調で、野菜、家畜も順調に育っています。
蒸留酒の精製も確立され、まだ月数本ですが、一年後には月30本はいけるでしょう。
ですが、ドワーフとホビット、竜人族が半分以上消費しますので、世に出るのは半分くらいだと思います。
次にセメント、モルタル、真砂土舗装と道路と建物関係にも着手しております。
あとは、食生活が大きく改善され、貨幣の流通も可能となっております。
唐揚げ、トンカツ、味噌汁、田楽等々、料理人が毎日ウキウキしながら料理を作っている姿を見ていると楽しくなりますね。
政治面では各種族のエリートが城に常駐することで、種族との連絡がスムーズに行われています。
最後になりますが、花火の開発も順調です。
試作品もそろそろ出来ると聞いていますので、一度視察してみましょう。」
なんかすごい事になってるな…。
サキュバスさん、インキュバスさんにマッサージを教えた時なんて、まどかさんが乱入し、
『ダーリンの施術を受けることができるのは王族だけだよ。』
なんて言うから、みんな引いてたよ…。
そんなんじゃ教えられないって事で、まどかさんを実験台にマッサージを見学してもらったんだけど、マッサージを受けた感想を言うはずのまどかさんは寝てしまうし…。
サキュバスとインキュバスは夢からエネルギーをもらうようだけど、マッサージしながら、エネルギーをもらえる事に喜んでいたな…。
「どう?うちのダーリンは凄いでしょ!」
「こんなにいろんなモノが生まれたんですね…。」
感無量だよ。
「四龍さんもここに来てびっくりしてたもんね~。」
「そうですよ。食べるモノが美味しいし、お風呂もあるし、何より甘美です!
早く子供が欲しいです。」
ニーナさんたち四龍さんがクネクネしている。
「あと、何か必要なモノとかあるのかな?」
「ジュークさん、それは種族ごとにリクエストがあると思いますね。」
「ダーリン!あたしはエッチい下着ね。」
まどかさん…ブレないな…。
「シメさん、先ずはここまでで良いと思いますよ。」
「これを増産して、ヒトの国に攻勢をかけるって事ですね。」
「そうです。
でも、攻勢ではありませんよ。あくまでも円満的にです。
そのために私たちがここに居るんですからね。」
「それは、四龍の加護という点ですか?」
「それもありますが、もう一つ大きな事があります。
それは、勇者でも敵わないという事を思い知らしめないといけないのです。」
なんて国名だったかも忘れてしまったが、ストレス発散のために勇者が召喚され、その後の勇者については闇に葬る…。
そんな国のために四龍さんの力を借りなくてはいけないものなのかね…。
それに交渉なんて、向こうの土俵に乗るだけのようで、なんだか面白くないんだよね。
「俺に力があれば…。」
「ダーリン、それは違うよ。
力なんて必要ないんだよ。
要は相手を納得させればいいんだよ。」
「それができれば一番良いんだけどね。
驕るヒトを潰せば、今はそれでいいかもしれない。
でも、それだと同じ問題がいつか発生するんだよ。」
「では、一度創造主にでもお会いになられてはいかがですか?」
だから、そのとんでもない展開はなんなんだ?
創造主なのか、管理者なのか、神なのかは知らないが、責任者出てこーい!という場面へと変わるという事か?
だが、そいつが勇者だとか魔王だとかを決めているんであれば止めさせれば問題は無いと思うんだが、それが出来るのか…。
「まぁ、一度会ってみる必要はありますね。
それに、設定がどんどんおかしくなっているとは思いませんかね?」
「ん?設定って?」
まどかさんが首をかしげる。
「まどかさん、よく考えてみてくださいよ。
いきなり前の世界から“召喚”でしたっけ?そんなファンタジーな要素で飛ばされたと思ったら、即死んで、そして生き返って、まどかさんが魔王で、その魔王と結婚したら、あれよあれよという間に妻が増えて、そして下着とか作ったら四龍さんに会って、って、都合よくできてませんかね?」
「ダーリンが来てからはそう思うけど、あたしなんて数十年ここに居るけど何も変わっていなかったよ…。」
「ナタリーさんたちは何か知ってる?」
「何も聞いてませんね。第一、ここで暮らす生き物が知ってる理ではないと思いますよ。」
「あ、でも、前に『この世界を作ったお方に選ばれた』とか、『会わなければ』っていってましたよね。」
「はい。それは過去に勇者から聞いた話ですから。」
「勇者の話なのかー!」
どうせ厨二病の勇者が話したんだろうよ。
そんなにファンタジーみたいな事が起きる訳ないんだよ…。
それに、四龍さん…、それを真に受けてこれまで伝承してきたのか?
残念極まりない…。
「まどかさん…」
「なに?ダーリン。」
「管理者とかこの世界を作った何とかというのは、厨二病の元勇者が言った言葉のようだよ。だから、俺たちは俺たちなりの回答を出さなければならないみたいだね。」
「あー、そういう事ね。
俺強えーーーーー!とか、俺の魔眼が疼くとか言ってる奴の事ね。
って、あたしの時の勇者もそんな事言ってたけど。」
もしかして、そういう奴ばかり呼んでる?
まぁ、そういうヒトだからこそ、魔王の討伐とかに乗り気になるんだろうか…。
なら、そういったヒトには現実を見せれば、大人しくなってくれるし、時が経てば、自分の中のブラック歴史として封印する訳なんだよな。
「ブレイクさん、マデリーンさん、ナタリーさん、そしてニーナさん。
その時が来たら、俺に力を貸してくれますか?」
「カズしゃま、今更なにを言っているんですか?
我らの旦那様ですから、そこは男らしく『俺について来い!』では?」
「いや、『ついて来い!』といった張本人が最初に死にますから。」
「そうだよね~。ダーリンは紙だもんね。」
俺は紙以下だよ…。即死だよ。
「という訳で、俺を守ってくださいね。」
「はい(((はい)))。」
まぁ、これで勇者が来ても問題は無いな…。
策は有るし、後は俺TUEEEE!と叫んでる奴の鼻っ柱を折って、王国をどうにかさせればいいだけだ。
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