3つのワードで【診断メーカー】
○お題
色気
折り畳みナイフ
修復
上記のワードをもとに書いてみよう
【おまけ】
血塗れ
一変
○本文
以下に続く↓
「私はあなたを食べたい、そう思ってしまうの」
女は男のことを愛していた。愛してるがゆえに、食肉に興味を持ってしまったのだ。
だから……女はそういって言葉を続けた。
「別れたい。別れられないなら、私を殺して」
女はそう言うと、折り畳みナイフを男に渡した。
バッ
「痛っ!」
地面に血が飛び散ると、男は自分の腕を切りつけた、折り畳みナイフを地面に落とした。
「……なに、してるの?」
女は男の腕を、ぎゅっと掴んだ。
「離せ」
男は腕を振り払うと、取り落とした血塗れのナイフをぎこちない動きでポケットにしまった。
「私は……私を殺してと、言ったんだよ?」
泣きそうに笑った女は、ポケットに突っ込んだ男の手に、そっと自分の手を添えた。
「俺は……そんなことはしない! 関係を修復したいんだ!」
男は震える手をそのままに、唇を噛み締め、静かに涙を流した。
「お前が死にたいと言うなら、俺は自分を殺す」
「は、ははは!」
急に大声で笑い出した女は、男の手から折り畳みナイフを奪うと、そのまま女の胸に自分で突き立てた。何度も、そう、何度もだった。
……目の前で倒れる男を抱きしめた女は、男の血と自分の涙が枯れるまで、その場に蹲るのだった。
◆背景
女は男に別れを切り出した。
「別れられないなら私を殺せ」と男に伝える。
別れたくなかった男は、覚悟を示すために、自らの腕を、女から渡された折り畳みナイフで切りつけた。
その後、「関係を修復したい」と言った男に対して、「じゃあ自分でやるしか無い」と思った女が、自分の胸にナイフを突き立てた。
しかし、その行為は男の自己犠牲によって阻止された。
◆解説
女は男のことを愛していた。
しかし、男のことが好きすぎて狂気的な思考になってきた女は、このままでは男を傷つけてしまうと思い、別れることを決意する。
しかし、やはり別れたくないという思いがあったからか、せめて男の手で死にたいという思いが生まれた。
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