第4話 名探偵がさ…

「ミステリーかもしれないけれど、自然にそうなったんじゃない…。

そうならなかった種族が滅んだとかさ…」


 理沙はバス停のベンチから青い空を見上げながら言った。


 種族が滅ぶ原因の一つが新たに誕生したね。

 理沙の想像力もすごい…。


「あのさ…一組しか子孫残せなかったので、この種は滅びました…って言うの…。

例えば僕みたいなのがたくさんいてさ…

誰にも相手にしてもらえなかったのでその種族が滅びましたっていうの…。

その滅び方…なんか切なすぎる。その滅び方だけはしたくないな…悲しい…」

 

「だからじゃない…、

悲しいから…やっぱり神様が変えたんだよ…。

自然にそうなったんじゃない…?」


 確信的に応える理沙。


「『神様』だす…? 

 終わっちゃうよ…ミステリー」


「終わるね…」


「終わるよ…。

 名探偵がさ…真実は『神様の仕業です』とか

『偶然です』とか

『自然にそうなったんです』って言ったら…

 終わるよ、いろいろな意味で…」


「終わるね…、種族もミステリーも…」

 少しさびしく応える理沙。


 終わらせてはいけない。


 まだお願いしたいことを言ってない。


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