理沙との会話(ミステリーに絡めて)

@J2130

第1話 ミステリーって面白い…

「ミステリーって好きかな…」


 放課後、バス停。

 同級生の理沙の右横に座る僕。


「どうかな…『名探偵コナン』とか弟とみてるよ…」


「本は読む…?」


「あまり読まない」


「そうだよね…、そんな姿あまり見ないね…」

 左腕にパンチがきた。

 けっこう重い…。


「なぞときって面白いとおもうんだ…、いろいろあるけれどね」


「ふ~ん、そうなの…?」


「アガサクリスティーの『そして誰もいなくなった』なんて島に渡った人たちが全員殺されちゃうんだ…」


「全員殺されたら犯人はどうしちゃったの…」


「それは言えないけれど…。持ってるから読む…?」


*


「SFなんだけれど、アイザックアシモフの『はだかの太陽』はね、ある惑星でロボットが人を殺害したって大事件になるんだ。ロボットって人を殺さない、傷つけないように作られるのに、そんなことが起きてね…」


「なんか聞いたことがある、『ロボット三原則』とかなんとかってのでしょ。ロボットは人を傷つけない…、人を守らないといけない…とかね」


「うん、その事件を地球から派遣された刑事が解いていくんだ…」


「どうしてそうなったの…」


「それは言えないけれど…。持ってるから読む…?」


*


「『人間の証明』っていう小説があるんだ…」


「うん…」


「題名だけでも読んでみたくならない…?」


「まあ、なんだろうとは思うけれどね…」


「おやじの本棚にあったんだ…」


「どんなお話なの…」


「あるホテルでアフリカ系アメリカ人の青年が殺されるんだ…、最後に『ストウハ』という謎の言葉を残してね…」


「何…、ストウハって…」


「それは言えないけれど…。持ってるから読む…?」


*


「マンガだけど『11人いる!』っていうのがあるんだ。名作SFでね。宇宙大学の厳しい入学試験の最後、2か月近く候補生が宇宙船で実習するんだ。10人でね。でもいざみんなで宇宙船に入ってみたら、なんと11人いるんだ…」


「どうなったの…」


「それは言えないけれど…。持ってるから読む…?」

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