SFオタクが征く異世界技術チート

デルタイオン

第1話 そのお店は

もしも、超文明とやらにであったらどうするか。


それは人それぞれだろう。


しかし、そのそれぞれは全て違う。


その違いに物語が生まれ、世界すらも変える一つの出会いがあるのかもしれない。


これはただの技術者が異世界に転生して暮らすお話。


さあ、今日は客がやってきた。


ベルが鳴る。


それに警戒した人だが、特に何もないとわかるとそのまま中へと入っていった。


「……ここは?」


ただ旅の途中で見掛けた森の奥でひっそりとあった店。


CLOSEと英語で書かれた看板が引っ掛かっていたはずだが……


しかし、そんな文字を理解できるわけもなく人は店を見回る。


一目見ただけでわかる肝を冷やすほどに美しい剣や盾、メイスにハルバート。そして、この店の一番の誇り物なのか壁にガラスケースで入っている剣……


日本人ならわかるだろう。


それは抜き身の刀。


背景に溶け込むように存在感が無く。しかし一度その刀を見てしまうと目が離せない程に狂気的に美しく感じる……しかし、本当に目が引く物というものは頭が良い。


それは、天井に固定されていた。


それも同じ刀……日本人ならそこまでは理解できるだろう。しかし、如何に刀というものを知っている日本人でも、刀鍛冶でも、その作品はそれは刀の範疇を超えていた。


鞘に入れられたあの刀は未来と古代が融合した悪魔……


それは、言葉すら出ないその刀を作った者とは……


「閉店時間なんたが……お客さん、何をお求めで?」


そこには少女の姿をした人が立っていた……


「……あなたがこれを?」


「まあな……私すらももう触りたくないね。あの刀は柄を触った者すらも斬り殺してしまう。その身全てが触れてはいけない……だから天井に固定したのさ。見ただけでわかるだろう?その恐ろしさが……」


彼女の言葉に頷く。


あれは正に魔剣……


聖剣すらも地に落ちたかのように恐怖を与える。


「それで?こんな辺境の地になんの用で?」


「実はな、ラベンダーの花を探していてね」


「……ああ、あのひげ親父の使いか。少し待って。依頼品を持ってくる」


「……まさか、貴女様とは…」


「様を付けられる程偉くなったと思うと考え深いね……はい、ヒノキの棒」


ヒノキの棒。ただの棒……そう思ってはいけない。


かの勇者がヒノキの棒の中から聖剣が姿を表したと言うようにヒノカの棒は勇者専用装備と言っても過言ではない。


しかし、そのヒノキの棒はどこで売っているのか?


ヒノキの棒……それは道端に落ちているヒノキと言う木の枝。


しかし、勇者のヒノキの棒は均等に、重心が剣のように持ち手に近く、硬くしなるヒノキの棒だ。


その供給源は……この店から年に二度は売り出されている加工品だ。


「これは……確かに伝説のヒノキの棒ですね」


「ならさっさと帰った。暇じゃないんだ」


そう言うと彼はそそくさと帰っていった。


しかし、数分後……


「た、助けてください!!」


突如として現れた魔王軍の攻撃によりボロボロになって帰ってきた。


「はぁ……早速新兵器のお出ましのようだね……」


そう彼女が言うと何かを持っていった。


筒と持ち手が融合した謎の形の物。


それは、その後地獄の炎を吐く。

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