第3話

そして翌朝…、


俺は目覚まし時計の音で起きた。

昨日の疲れが残っているのか体が重いな…。

俺は起き上がるとシャワーを浴び、朝食を食べた。

今日は非番だ。

久しぶりにゆっくりと休めるな。


確か…杏奈ちゃんも非番のはず。

そういえば最近忙しくて会えてないな。

確か今日の予定は何も無かったはずだし…、

デートでも誘ってみる?


俺はスマホを取り出しメッセージを送った。

すると数分後に返信が来た。

早いな…。


俺は内容を確認した。

そこにはこう書かれていた。


『ごめんなさい。今実家に呼ばれてて…。また連絡しますね!』


そっか…残念だけど仕方ない

久々に一人でのんびり過ごすか。

俺は気持ちを切り替えた。


たまにはゆっくりするか。

そうして俺は久々の休日を楽しむ事にした。



翌日。

本来は休みなのだが、とある従業員が病院に通ってから来るとの事で昼まで控室で待機する事になった。


「……暇だなぁ」


俺は雑誌を読んで時間を潰していた。

このホテルでは月に一度、従業員全員がホールに集められミーティングを行う決まりになっている。


なので俺はその待ち時間を利用して、次のフェアの企画を考えていた。


「次はどんな企画で勝負しようかな〜」


俺は今月の宿泊者アンケートの結果を見ながら考えていた。

普通のホテルなら無難な内容なのだがそこは『ホテルFuckin' Tokyo』である。アンケート結果も普通じゃない。


・出張タトゥースタジオ。

・薬師さん企画。正しい静脈注射講座。

・『Fuckin' Heavy』早飲みコンテスト。

・近藤さん企画。トカレフ射的。

・オーナー企画。チンチロリンバトル。

……などなど。


どれもこれも常軌を逸しているのだが、これが意外にも好評だったりする。

特に最後の『チンチロリンバトル』は昨年開催したが何故か女性人気が高かった。


優勝者は賞金10万円に加え、副賞として1泊2食付きでホテルに5日間無料で泊まり放題という特典があった。


しかも優勝賞品はそれだけではない。


優勝した者はなんとあの伝説の殺し屋『死神』と一夜を共に出来る権利が与えられるのだ!!

しかしこれはあくまで『死神』の気紛れによるものだったらしく、その後優勝者がどうなったのか誰も知らない……。


そんなこんなで遅れて来た従業員がやってきたので、俺はお役御免となり帰宅した。


まあ、手当も出るし余分に休めるからいいんだけどね。

さあて今日は何をして過ごすか? とりあえず溜まったアニメでも消化するか?

俺はウキウキしながら自宅に戻った。


自宅に帰り、早速録画してあるアニメを見ようとしたその時、電話が鳴った。


誰だよ? 折角これから楽しい時間が始まるってのに…俺は内心イラつきながら受話器を取った。

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