にちじょう
バブみ道日丿宮組
お題:不本意な窓 制限時間:15分
『へんじん!』
テレビの中で男が派手な衣装に変わる。
その間攻撃とかは一切ない。
変身を悪党が見届けてから、戦闘が始まる。
これが特撮というものだ。
では、変身とはなにか。
今神秘に考えてる。
だいたい改造されたからって、あんなにも簡単に全身が変わるものか。
あぁ……だからこそ、変身なのか。
思わず納得しかける。
「……おねえちゃん。うるさい」
「何も喋ってないよ!」
「……なんかいいたそうな顔でいられると、少しうるさい」
ぺたぺたと顔を触ってみるが、変化はない。
「……顔じゃないよ。オーラ」
神秘的な回答だった。
特撮以上にあたしのが弟には不明らしい。
「ごめんね。邪魔しちゃって」
「……別にいいよ。一緒にいってたのは僕だから」
いいこだ。
あたしと違って親に反抗することもなく育ってる。
たまに自分が出せなくて大丈夫かなと思ったりもする。
時たま笑う表情は儚げ。
それは病気体質というのもあるかもしれない。
だからこそ、特撮という元気にあふれるものが好きなのかもしれない。
「……終わっちゃった」
とても残念そうにした。
「違うの見る?」
録画してるのはまだたくさんある。
「……ううん。眠たくなっちゃった」
「窓開けてたのがよくなかったかも」
社会の空気は不本意ながら、弟には毒。
暑いから窓を開ける、クーラーをつける。
いろいろなことに注意しなきゃいけない。
「……眠るね」
弟がふらふらと立ち上がったので、手をとって弟の部屋へ。
ベッドに寝かしつけると、静かにその様子を数分眺めた。
ほんとであれば、ヒーローごっこのようなことがしたいのかもしれない。
うちにいることがほとんどで友だちらしいこもいないと聞く。
あたしだけは、あたしだけはと思う。
にちじょう バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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