おまけ:初夜1
引っ越してきてから少し、友だちが何人かできた。みんな優しくて、すごくいい子だ。
二人が付き合ったきっかけは?…と、友達によく聞かれるようになった。
きっかけは魔物から助けてもらったことで、…僕らはすぐに友だちになった。
でも、友達になってすぐに、友達として見れないと言われた。…言われたときは意味がわからなくて、悲しかったけど…その後に、そんなのすぐに忘れるくらい嬉しい言葉をもらった。
恋人になってからは…さりげない優しさや、かけてくれる言葉の全部が嬉しかった。
そんな僕は、いまも幸せを沢山貰ってる。
教会で、知り合いだけ呼んだ結婚式もすごく楽しかった。
式は終わったけど、
「サクさん、今日は人がいっぱい来て楽しかったね」
「…あぁ、リウが俺の嫁になった日だからな」
「えっ、あ、うん!…そ、そうだよねッ!!」
あまりにも直球に言われすぎて挙動不審になってしまった……。
「どうした?…疲れてるんだろう?今日はちゃんと眠れ。しっかり疲れをとれよ。俺も風呂に入ってくるから、…また後でな。」
サクさんは、僕の頭をワシワシしながらぎゅっとハグをしてお風呂に行ってしまった。
「え………、」
僕はてっきり…その、初夜だし、あんな事やそんな事をする……のかな?と思ってた。
しないんだ……そうなんだ………、なんか僕ばっかり期待してたみたいで恥ずかしいっ………。
そんな事を考えていたら、僕の背後から少し前から配属されたメイドさんがそっとやってきた。
「奥様。旦那様と今日から寝室が同じになりますので、同時にお部屋のお引越しもさせていただいております。」
「あ、そ、そうなんだっ…!ありがとうございますっ…」
「お礼は不要ですよ奥様、仕事ですので。…あと、敬語もご遠慮下さると嬉しいです。…お風呂にはもう入られますか?」
「う、うん…わかった…、じゃあ入ろうかな…?」
「承知致しました奥様。今日は初夜ですので色々と準備させて頂きますね…!」
「え!?い、色々って…良いよっ、そんな事しなくて…!その……、そういう事は今日しないみたいだしさ……?」
「え…………?」
「あ、さっき言ってたんだ、今日はちゃんと寝れって。だから早めに寝ようかな…!」
「…奥様………!!」
「は、はいっ…?」
「旦那様の言葉をちゃんと聞いておりましたか!?今日は遅くまで寝かす気ない発言でしたよ…!旦那様は昔から妙なところで意地の悪いお方ですからね…!奥様は騙されてはいけません!」
「えぇ…???だ、騙されてないよ…?」
「はぁ………(こんなにも純粋なお方が旦那様の奥様…!私が旦那様の行動を全て先読みしなければ…!!!)」
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