第5話 君と歩んでいく


「儂はリウは心配なんじゃ!!!!そんな凶暴そうなやつに…任せられるかい!!」

「サクさんは優しいから大丈夫だよ?」

「優しいフリだったらどうするんじゃ!酒を飲んだら人は変わるんじゃぞ!」

「サクさんはお酒強いから大丈夫だよ?」

「そういう奴ほど!後で裏切るんじゃよ!殺されでもしたらどうするんじゃ…!」

「もう、村長は心配し過ぎだよ…」

「いいや…、獣人は怖いんじゃ…、危ないんじゃ…リウは他の子よりもか弱いから駄目なんじゃ…!儂の友のようにはならせんぞ!」

「さっきから黙っていれば…、リウにそんな事はしません…!」


そっか…村長の友達は獣人に裏切られて殺されてるから…そんなに反対してるんだよね…。


でも…


「村長…、サクさんは優しくて、ほんとに良い人なんだ…。僕のこともだけど、僕が選んだ人のことも信用してほしいな…」

「リウ…だがな…。」

「…………、私からもお願いします。リウのことを世界一大切に思っています。この命尽きるまで愛し続けます、酷いことなど絶対にしません。どうか認めて頂けませんか…」

「…むぅ…そんなにリウが好きなのか…、…しょうがないから認めてやるぞ…大切にするんだぞ…!」


その真摯な対応に納得させられたのか、村長が僕達の結婚を認めてくれた。


「やった…!村長…!ありがとうございます!」

「ありがとうございます、分かってます。」

「儂も…、そこまで言われたら認めんといかんもんな…」




******



数カ月後…。



「リウ、今日はマカロンがおやつだ、美味しいから二人で食べよう」

「う、うん……でもこんな毎日いいのかな…?」

「何がだ?」


何がだ?なんて言って…、分かってるくせに!


ほんとに、ここ最近は驚くことしかなかったんだ。

王都にきてからは、大きなお屋敷に連れて行かれたと思ったら、サクさんは本当の貴族だったし…、流石にこれはお母さんとお父さんもびっくりしてたよ…


しかも、しばらくはこのお屋敷で暮らすことになった。

僕達の家を建てるのに時間がかかるらしいんだ…、大きくなくていいからねって言ってるんだけど、今からどんなのが建つのか怖くて仕方ない。


それに毎日のように、サクさんのお兄さん、お姉さんとお母さんが僕に会いに来るんだ、家が建ったらあんまり会えなくなるから今のうちに…とか言っていた。


サクさんのお父さんは、貫禄が合って強そうな人だった。

最後にあったときの去り際に僕の頭を撫でていったのはよくわからないけど、優しさなのかな?

お母さんとお姉さんはそっくりで、二人共すごく美女だ。

お兄さんは、周りにキラキラが飛んでるように見えるくらいのイケメンさんだ。

最初会った時に、僕がサクさんそっくりだなぁ〜…って見つめていたら『僕に惚れちゃったかな?なんてね!』

なんて言っていて、サクさんがなんか怒っていた。サクさんが何で怒ったのかはわかんない。


会う度に家族全員美人すぎて目が潰れちゃいそうだし、愛のハグで毎回呼吸が危なくなるんだ。


でも、そんな日々でも…幸せすぎてほんとに良いのかって思ってしまう。


こんな毎日を、大切にしていきたいと思う。



僕は、世界一の幸せものだ。



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