六月二十六日

 暑い。スイカが恋しい。


 半月前から考えて、最近になってようやく書こうと思いたって、短編を書いた。

 そもそも「5分で読書」は誰が読者なのか、ずっと考えていたわけです。

「小学校高学年から中学生の読者」と書いてあるので、読むのは十代の子どもたち。それはわかっている。わかっているけど、考えていたことはそこじゃない。


 最近の十代の読書傾向などを調べると、十代のラノベ離れが目に留まる。調べるまでもなく、そう言われてきたからね。

 読者の中心を大人にシフトした現在のラノベは、十代の子たちにとって、主人公の設定に共感や感情移入がしづらく、性的な要素が多いことに拒否反応を示しているという。

 二〇一〇年代以降、小中高生の性行動や性に対する関心は消極傾向にあり、性に対するイメージは悪化しているという。

 現在の中学生にとって、ラノベや大人向け小説で書かれる性的要素は、嬉しいどころか「気持ち悪い」と思われている可能性があるらしい。

 

 五分シリーズものの書籍が流行る傾向には、Youtube動画やTikTokの影響があると思われる。

 TikTokの日本ユーザー数は千六百九十万人。

 十代の57・7パーセントが利用しており、若年層にユーザーが集中。

 その数は増える傾向にある。

 Youtubeの国内利用者数は六千五百万人。

 全ての世代における高い利用率を誇る。

 特に十代から四十代の利用率が高く、九十パーセントを超えている。

 スキマ時間に短時間で楽しめるサービスを利用していれば、長編より五分で読めるような短いものに流れやすい傾向になるのもうなずける。よくわかるよ。動画を見るときは倍速でみるので。

 今の時代、コンテンツが多すぎるし、時代の流れも早く、やるべきことも多いのに一日は二十四時間で限りがあるからだ。

 作る側も、時代の流れを加味して、創作していく必要があるのだろう。

 それ以前に、書籍が高いよね。

 文庫本も高くなってきた。

 インフレかしらん。



 コロナ禍のインフレは金融市場に織り込まれ、金属やエネルギー資源、農作物などが高騰した。

 はじめに値上がりしたのが銅だった。

 ゆえに日本国内で電線や防火ホースの先端など、銅が使われている盗難が増え、他の金属価格高騰ともに、側溝の蓋や公園の蛇口、ガードレールなどの金属盗難も相次いでいく。

 小麦や大豆、とうもろこしなどの価格も高騰していた。コロナ禍で生産力と輸送が低下もあるが、一番の理由はバイオエタノールの原料となるためである。

 ロシアのウクライナ侵攻前から、既に高騰していたのだ

 そこにウクライナ侵攻が到来。

 ただでさえ高騰していたところに、さらに高騰したのだ。


 ウクライナで起きた戦争は、第二次大戦後のアメリカの戦争戦略の総決算である。

 覇権国家アメリカの戦後戦略は、他国に戦争をやらせること。経済大国であったアメリカには現在、金も力もない。ゆえにアフガニスタンでは、タリバンに実質、敗北した。

 バイデン大統領が米軍を撤退させるとき、最新鋭の兵器と民間人をタリバンにプレゼントしたことは記憶に新しい。なにより、中東から撤退するのは良いことである。


 とはいえ、アメリカの戦争体質は変わらない。

 NATO・北大西洋条約機構とは、アメリカが他国に戦争をやらせるために作った勢力である。

 米ソの冷戦以後も東に向けて加盟国を増やし続け、ロシア国境沿いのウクライナに届くまで拡大してきた。


 オバマ政権下の二〇一四年、当時外交官だった現在のアメリカ合衆国国務次官ビクトリア・ヌーランドが、ウクライナのクーデターを支援し、新ロシア派を倒して隣国ベラルーシへ追い出し、今の反ロシアかつ親ビクトリア・ヌーランドのウクライナ政権を打ち立てた。

 彼女はクーデター後、新政権に誰が就くべきかを話し合っている会話がリークされ、ニュースとなったのは有名な話だ。


 ウクライナの現政権はアメリカの傀儡政権であり、ウクライナ情勢はアメリカの問題であり。アメリカの都合で動いている。

 バイデン大統領が犯した過ちは、ウクライナのゼレンスキー大統領が自国民を犠牲にしてアメリカの目的を叶えるために、二月十九日のミュンヘン安全保障会議で「ブダペスト覚書はもはや無効」だと宣言した点にある。


 一九九四年、ハンガリーのブダペストで纏められた『ブダペスト覚書』には、ウクライナに核兵器を放棄させる代わりにアメリカやイギリスにウクライナの安全保障を委ねるという意味の覚書である。

 一九九一年にソ連が崩壊したとき、ソ連のもつ核兵器はウクライナに置かれていたのだ。崩壊して国と認められたウクライナは、誕生と同時に核保有国となっていたのだ。

 なのでウクライナが無効だと宣言する意味は、覚書に書かれた義務をもはや負わないということ。

 つまりゼレンスキー大統領は、「核兵器保有を宣言」したのだ。


 二〇一四年以降、アメリカの傀儡政権となっているウクライナ政権が核ミサイルを保有すれば、向けられる先は当然ロシアである。

 そんなことをすれば、ベルリンの壁崩壊から二〇一四年のクリミア併合まで何も言わずに西側の勢力拡大を見ていたプーチン大統領の堪忍袋の緒が切れるのは当然だ。

 ウクライナのゼレンスキー大統領が知らないはずがない。

 わかっていながらロシアを核兵器で挑発し、その後ウクライナ国民をロシアの脅威に晒したのである。

 覇権国アメリカの目的は、自国の被害なしに戦争で利益を得ること。

 たしかに今回、アメリカに人的被害は出ていない。が、産油国ロシアに制裁を加えたため、原油価格高騰が更に酷くなりつつある。

 元々、資源不足で危機的状況にあったヨーロッパはかなり厳しく、原油や天然ガスのみならず、小麦など穀物価格高騰に拍車をかけている。

 戦費も拡大しており、はたして戦争で利益を得られているのか甚だ疑問。潤っているとこには潤っているのだろう。

 戦争に勝利した暁には相手国へ賠償金を支払わせるため、そこで利益を得るのかもしれない。


 つぎで終わらせよう。

 つづく。




  

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