前のエピソード――執事とメイド　男１女１

罰ゲームセリフと違い、それなりに長めのセリフをまとめました。

①「生存本能って知ってるか？人間には、いや、人間だけじゃない。この世に存在するすべての生き物には、死にたくないという意思が備わっている。肉食獣に狙われた草食獣が逃げ惑うように、人間も生きるために足掻くんだよ。お前、本能を諦めさせられるのがどれだけの苦痛か、想像できるか？」

②「天は人の上に人を作らず……だったか？残念なことにそれはあり得ない。何故なら、真に平等な世界があったのなら、それは進化を捨てた停滞した世界だからだ。人は努力し成長する。当たり前のことだ。上がいるから、そこに立つために努力する。上下関係のない世界なんて、つまらないよ」

③「嫌なら関わらなければいいんじゃない？心配しなくても人間が死ぬまでに関われる人数になんて限りがあるんだからさ。君を傷つける人と無理に付き合う必要は無いよ。君にも相手を選ぶ権利はあるからね」

④「先刻のあの言葉。取り消すつもりは無いと考えて良いのだな？当然赦すつもりは無いが、今この場で訂正し赦しを請うならば命だけは見逃してやろう。最も、死の寸前まで攻撃を止めることはあり得んが」

⑤「僕はね、僕を信じてないんだ。僕は誰よりも僕が劣っていると思っているし、僕に何かを成せるとも思っていない。だからこそ。僕は誰よりも慎重に事を運ぶ。無能な僕が、絶対に失敗しないように。絶対に成功にたどり着くために。そんな僕の計画に穴があるなんて、間違っても思わないでね？」

⑥「彼は幸せだね。初恋なんて。私にはもう恋なんてできないよ。終わりがくるって……分かっちゃったから。ねぇ。教えてよ。終わりを知っちゃった私は、どんな恋ができるのかな？」

⑦「私はかつて、戦場で１５人の命を奪った。愛する国のため、愛する家族を守るため。侵略を続ける鬼共を斬り伏せた。だが、私が斬った鬼は皆、私と同様に国家から徴兵された善人であった。戦場に立つのは家族を、仲間を想う善人ばかりで。私欲のために戦争を引き起こした本物の鬼は安全などこかで守られている。とんだ笑い話だ。善人しか殺していない私が、英雄なものかね」

⑧「君は彼女を愛しているか？何があっても守り抜くと誓えるか？彼女は裏の生まれだ。一般人の君では想像もつかないような危険も起こりうる。半端な覚悟で付き合えるとは思わない方がいい。もしその覚悟が無いのなら、今すぐ彼女の前から失せろ」

⑨「仕えているから助けたわけじゃない。仕事で命を懸けるなんて御免だ。俺は君だから助けたかったんだ。君が大切だから、君を好きになってしまったから。不純でごめんね。でもこれが俺の気持ちだから。これからも俺に守らせてほしい」

⑩「お前、人を斬ったことはあるか？撃ったことは？ならここはやめときな。ここはあんたみたいな汚れ知らずのいい子ちゃんには似合わねぇ。両手を血で濡らした馬鹿な野郎が寄り集まって出来た場所だ。ま、あんたの手も同じように汚れたなら、その時は受け入れてやるよ」