第42話 足フェチ認定
「今日、カリナと外乗行ったんだって?」
今日はいつも通りの寝間着を着ている。ロザリーが新しい子供下着……もとい弱エロ寝間着を買ってきてくれたのだが、ただいま洗濯中の為今日は着せてもらえなかったのだ。
そのせいか、アダムに無理やり寝かしつけられることもなく、ベッドに入る前に二人でソファーに並んで座ってハーブティーを飲んでいる。私はホットワインを寝酒にしても良かったんだけど、アダムが成人(しかも前世のね!)するまでは駄目だと許してくれなかった。
一般的な成人は十六歳なのよ。しかも厳密に言えば、未成年の飲酒は禁じられていないの。舞踏会とかで、未成年がおおっぴらに飲酒していてはあまり良い顔はされないけどね。だいたい法律ってものがないんだから、罰しようがないよね。犯罪とかは、王や貴族議会の判断で処罰されるか、慣習に基づいて処罰される。
だから、二人だけの時はくらいは飲ませてーッて思うんだけど、この面だけはうちのキスコンチェの家族並みにアダムの頭は固かった。しかも、前世では「お酒は二十歳をすぎてから」だったから、二十歳までは我慢しようねって、良い笑顔で言われた。きっとアダムの前世は生活指導の先生だよ、絶対!
「しかもスカートで乗馬したって?」
言いつけ魔がいる!
「ちゃんとスカート挟んだから大丈夫だよ。わざわざ乗馬服に着替えるの面倒だったからさ」
「……面倒…………なら、厩舎にロッティ専用の更衣室を作ろう。そこに乗馬服を常備しておけば、ちゃんと着替えてから乗馬するだろ?」
「まぁ、うん。そうかもね」
アハハハ、確約はしないよ。だってなにがあるかわかんないじゃん。
「できる限りな、約束して」
「うん、できる限りね。約束」
苦笑気味のアダムは、私が適当に言葉を濁していることに気がついたらしい。約束したからね、努力はしますよ。
「スカートの下に乗馬ズボンを履くだけでもいいからさ。ロッティの生足をいろんな奴が見るとか、かなり嫌なんだよ」
そういえばアダムには足フェチ疑惑があるんだった!
「アダムは……私の(足)が好きなの?」
アダムは一瞬びっくりした顔をしたが、すぐにフワリと優しく微笑んだ。
「ロッティが……大好きだよ」
私が好きだって!私の足が好きだってことはわかっているけど、面と向かって言われたら、愛の告白されたって脳が誤作動起こしちゃうじゃん。
そして脳が誤作動起こした結果、顔だけでなく、全身真っ赤になってしまう。
でも、ちゃんと確認しとかないとだよね。私の足も好きだけどカリナの足もいいよねとか言われたら、第一妃の存亡の危機かもしれないじゃん。それはキスコンチェ存亡にも繋がるかもだし。
「私の(足)が一番?」
「もちろん。ロッティが一番だよ。というか、二番も三番もいないから」
なるほど!ぶっちぎりに私の足がアダムの性癖に刺さったってことね。きっとアダムは細くて真っ直ぐな足が好きなんだ。ムッチリしたのや筋肉質なのよりもね。
「本当?」
潤んだ瞳でアダムを見上げると、アダムは太腿に置いていた私の両手を片手で包み込むように握り、優しく髪の毛を撫でてくれた。
手を触るふりして足に触れるとか、ちょっと変態親父の手法だけど、アダムだから可!アダムなら、表立って撫で回してくれたってかまわないのに。
アダムは私の髪の毛をすくようにして髪の毛を耳にかけると、指の先で耳たぶをつまむようにフニフニ動かした後で、頬を擽ってから手を下ろした。
なんか甘い!そしてエロイ!
アダムってば天然?天然なの?AVとかだとさ、女優の顔が映らないとだから、女優の顔に髪がかかると男優さんがさりげなく髪をかき上げて耳にかけてくれる訳よ。甘々系のストーリー重視の作品とかだと、さっきアダムがしてくれたみたいに、ただ髪を耳にかけるんじゃなく、指先でエロを表現しつつ甘い雰囲気を演出するのよね。
これでこの後チュッとキスなんかして、甘く見つめ合った後に、優しい愛撫からのガッツリ絡みに移行して……。
あ、これは撮影じゃなかった。現実だ。
「本当だよ。ロッティ以外の誰がいるんだよ」
「……カリナとか?」
ロザリーの足も捨てがたいよね。私とはタイプが違うけど、プリンと少し大きめなお尻からムッチリとした太腿に続き、程よく筋肉がついたふくらはぎの先の引き締まった足首とか、女の私でも撫で回したいなって思うもん。いつも騎士服着ているから、ドレスよりも下半身の形がよくわかる。
カリナは胸以外はスレンダー系みたいだから、どちらかというと私タイプの足なのかな。
だからこそ要注意なんだよ。
「カリナ?なんでカリナ?彼女は子供の時から知っているから、そういう対象として見たことはないよ。なんていうか……妹みたいなもんで、大人の女性として意識したことはないから」
アダムがそう思っていても、相手もそうだとは限らない……って、わざわざ恋敵の気持ちを暴露してアダムにカリナを意識させる必要はないよね。
第二妃候補じゃないんなら、共同戦線を張ってアダムを盛り上げる必要はなく、ただの恋敵確定だ。
私がモヤモヤと考えていると、アダムが私の顎にそっと手をかけて顔を覗き込んできた。
「もしかして、知り合いを雇ったから余計に心配させちゃったのかな?」
「まぁ、うん。そうかも。……じゃあカリナを第二妃にする予定はない?」
「ありえない。ロッティ以外の妃も夫人も娶るつもりはないから」
「え?でもアダムは王太子だよ?それって後継者問題的にまずくない?」
他に妃とかが増えて、アダムとの閨の回数が減る(今現在、減るどころか0だけどね)のは嫌だなって思っていたけれど、まさか王太子のアダムが一夫一婦制を考えているとは思わなかった。
「……僕はともかく、ロッティはまだ若すぎるくらいだから、産もうと思えば何人でも産めるだろうし、万が一子供ができなくても、兄弟は沢山いるから跡継ぎの心配はいらないよ」
二年に一人と考えて、四十くらいまでは産めるだろうから……十三人?!私のアソコ、そんなに産んで大丈夫なのかな。
いや、そんなことより、私との子供を考えているということは、アダムは私とセックスするつもりがあるってことだよね?
「じゃあ、私の(足)だけで満足してくれる?」
「もちろんだよ。ロッティがいいんだ。他は考えられない。ロッティはどう?僕のことどう思ってる?」
僕のこと?アダムの足のことってことかな?
私は足フェチじゃないんだけど。どちらかというと手フェチで、アダムの手はまさに理想。あとは身体もいい感じだし、ちょっと覗き見したお尻もまたいい感じだったよね。アソコはまだ見たことないからなんとも言えないけど、きっと悪くないと思う。
「全部……好ましいんじゃないかな」
「……マジか。よしッ!」
アダムはグッと拳を握ってから、私のことをギューギューに抱きしめてきた。アダムの体温は私より少し高くて、凄く安心する匂いがした。私もそっとアダムの背中に手を添えた。
ヤバイ、布団の中じゃないのに、布団の中にいるくらい気持ちいいかも。
アダムの体温を感じながらウトウトしていると、唇にチュッと柔らかい感触を感じた。
あれ、……キスされてる?
足に興奮してスイッチ入った?私、唇大丈夫かな?ひび割れたりしてない?
アダムとの初チューだ!ちなみにシャーロットとしてのファーストキスでもある。
チュッチュッと触れるだけのキスを繰り返され、私はアダムの首に手を回して軽く唇を開いてみる。
ベロチューからの官能の初夜カモン!
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