第77話 新たなお告げ?
俺がアザトーイ王国を買い上げてから
国名をツキノガワ王国とし、国王には俺がなるが、今までの君主制ではなく、立憲君主制による政治形態へと変えていく。
要はこの世界の政治、更に言えば現代でも政治の事に
とは言え、アマノガワ王国は俺、ルミアーナ、クスノハ、シルフィで作った国だから、ここは王政にして、色々とこの世界で試していきたい。
「結婚式は建国祭に合わせて行うんだろう? まだ日もあるし、そんなに慌てて衣装とか決めなくてもいいんじゃないか?」
アマノガワ王国の俺たちの小さな家。その家のリビングのローテーブルの上には、旧アザトーイ王国から持ち込んだドレスが山のように積まれている。
「お兄様、あと二週間しかないのよ! 衣装を決めたら髪型やアクセサリーとか、衣装に合うように色々と決めないといけないの!」
「トーマ様は何色のドレスがお好みですか?」
「ヤッパ、派手なのがいいよな! 赤か、青か、いや、ここは七色でド派手にすっかな」
女の子たちは結婚式に着る予定のドレスを、その山の中から、あれやこれやと選んでいた。
「ん〜、俺には分らんよ。俺のいた世界じゃ、ウェディングドレスは白一択だからな」
「「「白ッ!?」」」
白一択は言い過ぎだけど、ウェディングドレスは白のイメージしかない。
しかし、この世界では白のウェディングドレスはあまりポピュラーではないらしい。目の前のドレスの山にも白のドレスは数枚が混ざっている程度だ。
「白ってこんなんだろ?」
クスノハがその白いドレスを山から抜き出す。現代のヒラヒラとしたドレスではなく、実にシンプルなデザインだ。
「飾りっけも無くて地味だよな。白のドレスってさ――――」
その時、リビングのドアが開き
「国王様、第2都市区に建設した小学校の件で――――」
「白のドレスってさ、イキ遅れの女の人が、目立たないように着るヤツじゃんか。イキ遅れのレオノーラ様ならともかく――」
「クスノハッ!」
「クスノハさん!」
「クスノハ様ッ!」
「あん?」
いや、もう無理か。俺は知らん! 知らんからな!
「クスノハさん、
「えっ、あれ? レ、レオノーラさ……ん?」
背中に般若を従えたレオノーラさん。
「「アハ、アハハハハハハ」」
死んでこいクスノハ。 屍は拾ってやる。
◆
オヨヨ、オヨヨと泣くレオノーラさん。
「私だって好きでイキ遅れたんじゃないんですよ! サセタ神様から紹介頂いたクソ野郎が、クソ過ぎて、それはもうクソ過ぎて、授かるギフトも剣豪だから、私も最初は我慢したんですよ! でもクソ野郎がヒモ暮らししたいからって、私に働け働けとかいうわ、男尊女卑も
レオノーラさん酔ってます? 何やらオヨヨ、オヨヨと語り始めた彼女の悲恋話。ルミアーナたちは食い入り気味に話を聞いている。
どうやらレオノーラさんは、サセタ神様からのクエストを放棄したせいで、ギフトは貰えず、貴族界隈でも噂の鬼娘となってしまったらしい。そして今に至るって訳だ。
レオノーラさんがイキ遅れと言っても二十二歳。この世界は結婚が早いからそうなのかもしれないが、現代なら女子大学生とかだ。俺の精神年齢は現代の十九歳だから、
あれ?
「ト、トーマ様……、トーマ様の聖紋が……」
俺の左手の聖紋が淡い光を放っている。
「う、うん、いまサセタ神様から新たなお告げが降った……」
「「え〜〜〜〜〜〜!?」」
流石は婚活の神様、サセタ・イ・ケッコーン様だ。まさか、こんなタイミングで婚活するお告げが降るとは。
「お、おかしいだろッ!」
「そ、そうよ、お兄様には私たち三人がもういるのよ!」
「オホホホホホホホホ。流石はサセタ神様ですわ」
聖神のギフトを持つルミアーナは気が付いたようだ。いや、誰でも気が付くか。クスノハもシルフィも、レオノーラさんがヨダレを垂らして、ニヤニヤとだらしない顔をしているのを見て、目が点になっていた。
「えへ♡、いヒ♡、デヘヘ♡♡♡」
新たなお告げを授かったレオノーラさんは…………。まっ、いっか。
三人の
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