第61話 【国王様゛のお話】―5
「ブハアッ!」
今日の冷えたアッヘーン入りウォーターは格別に美味い。馬車から降りては、給仕が入れたコップ一杯の水を一息に飲み干した。
「グフフフ、我が黄金城のなんたる綺羅びやかな輝きだ」
俺様は建設中の黄金城の視察にやってきた。全てが純金で出来ているこの城は、まさに俺様の威光、俺様が俺様である俺様のシンボルだ。
「どけぇッ!」
俺様の歩く先を、ふらふらと歩く痩せ干せた奴隷の男が横切りやがった。蹴り一発で転げ回るクソ奴隷。
「そいつは不敬罪だ。殺しとけ」
ここで働いている奴らは、黄金を盗まれない為に、窃盗をしたら狂い死ぬ
この奴隷はサディスティアのデブ大臣が連れてきた。まあ、タダで働かせる分には何処の奴隷でも大差はない。
「奴隷か。ルミアーナの奴も奴隷にしておけば良かったな。顔と胸だけは極上品だったからな」
そうだ、そうだな、そうでなくてはならないな!
「おい、お前」
「わ、私でございますか」
このクソお茶汲みが! 貴様以外に誰がいるってんだよ! アホか!
「そうだよ! てめえだよ、カス! さっさとルミアーナを俺様の前に連れてこいッ! 殺すぞ!」
「ヒッィ〜」
たく、使えん奴だ。しかし、ルミアーナか、ヒヒヒ、楽しみが増えたぜ。
◆
「国王代理陛下!」
黄金城を見て気分よく城に帰ってきた俺様に
「何だよ、相変わらずうっせえなぁ。てかさぁ、国王って呼べよ」
「
「あん? 国王陛下……ってオヤジかッ! やっと死んだか! こりゃパーティーだな、おい!」
「な、何を仰っているのですか!」
「貴様はバカか? 長寿を全うしたんだ。めでたいんだよ! 王宮はこれから一ヶ月は供養の為のパーティーやんぞ!」
「国王代理陛下、そんなお金はございませんぞ!」
「
「む、無茶です、
「国民の忠義ってもんがあんだろが! 払えなきゃ百叩き……いや、それじゃ金にはならんか。ふむ、奴隷の
「…………」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます