第58話 販売戦略と産業構想
あれから十日間、俺は缶詰め状態で帝国に売り出す物をひたすら錬聖していた。
売り出す品は、ダイヤモンドのアクセサリー、神の湯の化粧水(名称は
これらを俺の錬聖でひたすら作る。錬聖に使う糧はクスノハとシルフィが魔物を狩りに行って集めて来ている。シルフィの異空間収納もかなりの量を入れられるようになっていた。
ちなみに洋服とランジェリーは、女の子たちの着替え用に俺が錬聖で作った物が好評で、特にランジェリーはこの世界にはない着心地の良さらしい。現代でのアパレル会社の知識がここでも役に立った。
そして、洋服とランジェリーの制作の中で、ルミアーナとレオノーラさんにアドバイスを貰い、この世界でも作れるようにアレンジを加えている。
近い将来、俺たちの街でも産業を興さないといけない。衣料製造業、いわゆるアパレル産業なら馴染むやすい。
衣服を作る上で、お試しで千葉のばあちゃんの家で見た、足踏みミシンを作ってみた。
足踏みミシンをイレーヌさんに使って貰ったところ、吃驚仰天していた。手先が器用なイレーヌさんは、足踏みミシンを使いこなし、幾つかの洋服を作りあげている。
足踏みミシンを沢山作れば産業として成り立つし、足踏みミシンを作る職人を育てれば、ミシン販売も可能になる。
将来的には洗濯機や掃除機などの便利家電も、魔法と融合させれば可能かもしれない。
そんなこんなで、在庫を含めた商品の制作をしながら、販売戦略についてルミアーナ、レオノーラさん、イレーヌさん、ミレーヌさんに説明をした。
「ポイントカードに、ポイントラリーすか?」
ミレーヌさんは、いまいちピンときていないようだ。
「ポイントカードはアマノガワショップのみで使えます。合計金額が金貨十枚分でプラチナの50CC瓶をプレゼントします。ポイントラリーは、アマノガワショップの商店街で金貨1枚分のスタンプを集めると、ハイグレードの50CC瓶をプレゼントします」
「それって赤字にならないんすか?」
「アハハ、神の湯自体はただだから大丈夫ですよ。それよりも、お客さんが喜んくれた方がいいし、リピート率も上がるしね」
「オホホ。リピート率ならそのような事をしなくても大丈夫ですわ」
「う、うん。そうかもしれないけど、ポイントカードやラリーカードを配る条件として、名前や住所、年齢とかを書いて貰うんだ」
「それを書かせてどうするんですか?」
疑問を感じたのはレオノーラさんだ。
「マーケティングに使うんですよ。何歳ぐらいの人がどういった商品を買うかを調べるんです。神の湯は別として、他の商品は在庫管理や新商品開発に役立つんです」
「す、凄いです! トーマ様は商人なのですか?」
「いや、そうじゃないけど、この国を良くする為には産業は重要だから、色々とやらないとね」
そして三日後、帝国が用意してくれた店舗に商品を並べて、アマノガワショップがオープンした。
◆
ちなみに皇帝陛下は、皇帝陛下の意向と使用人さんたちの熱い要望で、まるまる二週間の間、アマノガワ王国に逗留していましたとさ。
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