第57話 販売計画
「さて、帝都で売り出す物だけど、ダイヤモンドは高価なぶん儲かるけど、購入は貴族が大半だから、継続的には売れないだろうね」
夕食を食べ終え、リビングのソファーには、俺、ルミアーナ様、クスノハ様、シルフィ、レオノーラ様がローテーブルを囲んで座っている。
イレーヌさんとミレーヌさんは、食べ終えた食器の洗い物をしてくれていて、奥のカウンターキッチンにいる。
皇帝陛下たちは俺が作った新居で寛いで貰っている。
ちなみに皇帝陛下が一人で来ている筈もなく、ミザリア様、ノーラ様、親衛騎士のお姉さん四人に加え、親衛騎士隊の新たなお姉さん集団が十人ぐらい増えて、身の回りの世話役さんや料理人さんなどを含めて、ざっと三十人ぐらいはいたりする。
だから皇帝陛下の別荘に加えて、使用人さんや親衛隊さんのための、アパートチックな建物も作った。
勿論、全てオール電化、とはいかず、屋根のソーラーパネルの関係から、灯りとキッチンコンロのみとなってしまった。火事になるのはキッチン周りだから、出来るだけキッチンはIHにしておきたいな。
「でもよ〜、金貨一枚でも買えるモノを作ってあんじゃん」
クスノハ様が、ローテーブルに並べたダイヤモンドのアクセサリーのうち、小さなダイヤモンドが付いたネックレスを手にとった。
そのネックレスは、2ミリぐらいの小さなダイヤモンドが付いていて、販売価格は金貨一枚を予定している。
「そうは言っても、アクセサリーなんて毎日買わないし、長く使えるから、一人一、二個買ったら終わっちゃうだろ。それよりも化粧水の方が、無くなれば買わないといけないから、継続販売はしやすいよね」
「トーマ国王――」
「国王はいりませんよ、レオノーラ様」
「いえ、アマノガワ王国は正式に国家として認められたのです。国民たる私がトーマ国王と呼ぶのは当然の事です! むしろ私の事はレオノーラとお呼び下さい」
「そうだぞトーマ! オレにいつまで様を付けてんだよ。めっちゃ気になってたんだ。一緒に風呂に入った仲なんだから、オレの事もクスノハでいいぜ」
「オホホ。わたくしめもルミアーナとお呼び下さい、トーマ様」
「いや、しかし、ルミアーナ様はお姫様で……」
あグッ!?
隣に座るルミアーナ様が俺に体を擦り寄せてきた。豊かな胸が当たっているんすけど。
「今は姫ではありませんわ。今はトーマ様の
「わ、分かったから離れて、離れて」
たく、サセタ神様の教えで、結婚するまで性交は禁じられているんだから、無闇に刺激させないで欲しい。
それで無くても、何故か三人は俺のベッドで寝てるんだから、辛抱たまらんわい!
「ん、んッ」
わざとらしい咳払いをするレオノーラさん。
「トーマ国王、あれはエリクサーです。幻の霊薬が出回れば、薬剤ギルドが放っておくとは思えません」
「そこは、シルフィが隠蔽魔法をかけて販売するから、鑑定で見破られる事はないよ」
ただ、エリクサーを使えば助かる命があるのに、それまでも隠蔽魔法で隠してしまう事に心が痛むが、これは、俺も含めて全員で決めた事だった。
エリクサーの公式な登場は、世界のバランスを変えかねない。人の命を秤にかけるものではないが、薬剤師や薬草集めの冒険者たちの仕事を奪い、人生をも狂わせてしまう。
エリクサーこと神の湯のお値段は以下のように定めた。
レギュラー(濃度30%)
美肌、肌荒れ、髪サラサラ
50CC 銀貨一枚
150CC 銀貨二枚
400CC 銀貨五枚
ハイグレード(濃度60%)
超美肌、肌しみ改善、髪サラサラ
50CC 銀貨二枚
150CC 銀貨五枚
プラチナグレード(濃度100%)
輝く美肌、100%肌ケア、100%髪ケア
50CC 金貨一枚
150CC 金貨二枚
さあて、帝国に美容革命をおこしましょうかね!
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