第7話 【国王様゛のお話】 ―1
「国王様、ルミアーナ王女殿下が今朝がた、お城を出て行かれました」
ルミアーナに仕えていた下女が報告に来やがった。知ってんだよ、んな事は。
「王女殿下では無い。あいつは下民のルミアーナだ。除名処分もしたから、あいつはただの女だ」
口うるさかった義妹のルミアーナを追い出せたのは僥倖だった。
俺様の言うことを聞いてサディスティア王国の阿呆王子の元に嫁げば良かったものを、馬鹿な女だ。
「しかし、ルミアーナ王女殿下は――」
「ルミアーナだ」
「……ルミアーナ様は国民からの信頼も厚く、幾つもの功績もございました」
「ふむ、確かに女共の賃金を上げたのはあいつのお陰だが、労働税を課したのは俺様の功績だ。闇雲に女共の賃金を上げたのは愚策だ………、ふむ名案が思いついたぞ」
ガハハ、やはり俺様は天才だな。
「全ての女共の労働税を倍にしよう!」
「こ、国王様!? それでは賃金がほとんど無くなってしまいます!」
「なるほど、お前の言うことは最もだ」
「では――」
「労働時間を倍にしよう! これで目減り分は補えるな。税収入も倍になる。まさにウィン・ウィンとはこの事だな。ガハハ!」
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