第7話 休日のお話②
おかえり〜、ただいま〜。
あ~、朝のお出かけ楽しかったぁ!
今からはお家でゆっくりしようね~。
あっ、そうだ! さっき借りてきたDVD早速観よっと!
――ガサガサ……
ねぇねぇ、何借りて……
……えぇ!? ホラー!? それもめっちゃ怖いのじゃん!!
あれ? ホラーとか観る人だっけ?
え? 『ホラーだと私に抱きつくきっかけができるから』?
……そのためにホラー苦手なのに借りたの?
……。
もうっ! か~わ~い~いぃ!!
そんなことしなくても私はいつでもウエルカムだからね!
……?
キャー! 早い早い! ウエルカムとは言ったけど、さすがに早すぎる~!
はぁはぁ……。と、とりあえず観よ……。
――ピッ
……ひゃ!
……あわわわわ……。
……キャー!!
――ピッ
はぁ~、怖かった~。
大丈夫? 泣いてない?
ハハッ、さすがにそれはないかぁ!
ありゃ、もうお昼御飯の時間になっちゃったね。
急いで準備するね! 簡単なのでいい?
――ジュー、ジュー……
ふんふふ~ん♪
ん~? な~に~?
今日はね~、冷蔵庫に野菜とお肉が残ってたから野菜炒めにしたよ~。
あ~! ‟野菜”って聞いて今嫌な顔したでしょ!?
いつも言ってるけど、ちゃんと野菜食べないと身体壊しちゃうよ?
もうっ! これから先も元気でいてくれないと困るんだからね!
よしっ、で~きたっ!
――カタッ、カタッ
では、いただきま~す……!?
わっ! どうしたの!?
『なんで?』って、いつも野菜食べる時は『あ~んして』とか言うのに、ちゃんと自分で食べてるから!
え? 『私と一生一緒にいるために食べる』って……?
あぁ! もしかして、さっき私が『これから先も元気で~』って言ったから!?
へへ……、なんか恥ずかしいなぁ……。
まっ、なんであれ野菜食べてくれて良かったよ!
◇ ◇ ◇
ふ~、お腹いっぱい。
お昼御飯も食べたし、ちょっと休憩しよっと。
おっ? 耳掻きするの?
たまには私がしてあげようか?
はいっ、こちらにどーぞ!
……う、うわっ! なんか動きが速いね!
じゃあお耳の中拝見しま~す。
大丈夫? 痛くない?
ふふっ……、くすぐったいの?
次は反対で~す。
気持ちいい?
……よしっ、全部取れたかな~。
はいっ、終わり~。
あら? 眠たくなっちゃった?
コラコラ、お布団で寝ないと風邪ひいちゃうよ~。
えっ? 私も一緒に行くの?
まっ、予定もないし一緒にお昼寝しよっか~!
◇ ◇ ◇
――ボフッ
はぁ~、お布団最高~。
……ねぇ、抱きついてもいい?
だってさっきのホラー映画、意外にも真面目に観ちゃって抱きついてくれなかったでしょ? 実はちょっと期待してたんだよ?
――ゴソゴソ……
ぎゅ~……。
あ~、幸せ~。
ねぇねぇ……、チュッ。
えへへ……、大好きだよ。
じゃあ、おやすみ。
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