第8話 夏旅行のお話①
わ~! 見て見て、海~!
このお部屋にして正解だったね!
オーシャンビューだし、お部屋に露天風呂付いてるし、ベッドも広いし!
もうっ! 何もかも完璧だよ~!
予約取ってくれて本当にありがと! 大好き!
そうだ! 早速海に泳ぎに行ってもいい?
やった〜!
じゃあ水着に着替えてくるね!
◇ ◇ ◇
じゃ、じゃ~ん! 新しい水着だよ~!
どう? 似合うかな?
ん? そんな険しい顔してどうしたの?
あれ? もしかして変……かな……?
違うの? じゃあどうしたの?
えっ!? 可愛すぎて死にそう!?
私が他の人に上から下まで舐めまわすように見られるなんて耐えられない!?
大げさだよ~! たくさん人がいるから誰も見てないって~!
いやいや、なんでそんな眩しそうな顔してるの!?
私の身体、光り輝いてなんかないから!
もうっ、拝まないでってば~!
……?
キャー! どのタイミングで抱きついてんのー!
はぁはぁ……、なんで海に行く前からこんなに息があがってるんだろうね……。
よしっ! 気を取り直して海へ出発~!
◇ ◇ ◇
――ザバ〜ン……
キャ〜! 気持ちがいい〜!
ほらっ、早くこっちにおいでよ〜!
……んん?
ねぇ、今、他の女の子を見てたでしょ?
いや、絶対に見てた!
ふ〜ん……、いつも『私のことしか見えない』とか言ってるくせに、あの娘たちのことは気になるんだ?
やっぱ胸は大きい方がいいの?
なんかごめんね、小さくて。
『小さい方が好き』って……、それ私のが小さいって遠回しに認めてるじゃん!
もういいっ!
ふんっ、もう怒った!
一人で泳いでくる!
付いてこないで!
◇ ◇ ◇
――ザバザバ……
ふんっだ……。
私のこと溺愛してるくせによそ見するなんて……。
……え?
いや、一人じゃありません。彼氏と来てますから。
ナンパなら結構です。
キャッ、やめてください!
(ふえ〜ん! た、助けて〜! 連れてかれちゃう~!)
――ザザッ!
あっ! 助けに来てくれたの!?
え〜ん! ありがと〜!
怖かったよ~!
◇ ◇ ◇
……さっきは勝手に嫉妬して怒ってごめんね。
ううん、私の方が悪いから謝らないで。
あの……、仲直りしてくれる?
じゃあ、仲直りのチューして?
……チュッ
はぁ~、良かったぁ〜。
ねぇ、手、繋いで帰ろ?
――ザッザッ……
初めてケンカしちゃったね。
でもさっきの、『俺の彼女に手を出すな!』って、めっちゃカッコ良かったよ!
やっぱ最高の彼氏だな〜って、惚れ直しちゃった!
あっ、見て! 夕日!
うわ〜、なんか感動するな〜。
えっ? もしかして泣いてる?
そうだね、この夕日は感動するよね〜……って、え? 違うの?
えぇ!? 私が『最高の彼氏』って言ったことに感動してるの!?
ほら~、もう泣かないで!
アハハッ! なんかいつもどおりの私たちに戻ったね!
ぐぅ〜……
えへへ……、安心したらお腹空いてきちゃった!
ホテルに戻って早く晩御飯食べよっ!
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