第3話 夜のお話①お出迎え〜晩御飯編

――カチャ、カチャ、ガチャ……


――パタパタパタ……


あっ、おかえり〜。


今日も一日お疲れさま〜。


……キャッ!


急に抱きついてきてどうしたの!?


え? 『疲れたから癒やされてる』?


そっかそっか〜! じゃあいくらでもどーぞ!


……そろそろ癒やされたかな?


……え? まだ?


……。


……もうっ! 長いよ〜!


なに? 『‟あれ”やって』? 


“あれ”ってなぁに?


……え〜! それはさすがに恥ずかしいよぉ!


そ、そんな土下座までしなくても……


わかった、わかったから〜!


じゃあ一回だけね?


……コホン


えー……、ご飯にする? お風呂にする? それともア・タ・シ?


……?


キャー!! ちょっと待ってー! まだ早いからー!


ご、ご飯冷めちゃうから、とりあえず先に食べようね!


はいっ、お利口さん!


じゃあ準備するから手を洗って来て〜。



◇ ◇ ◇



――トントントン……


――ジュ〜、ジュ〜……


――コトコトコト……


あっ、ちゃんと手、洗ってきた?


どれどれ〜?


うんっ、バッチリだね!


はいっ! おかえりのチュー!


えへっ……。


晩御飯もうすぐ出来るから座ってて〜。


えっ? 手伝ってくれるの?


嬉しいっ! ありがとっ!


じゃあ、お箸とコップを出してもらえるかな?


—―カチャ、コトッ


ふんふ~ん♪


……キャッ!


だから急に抱きついてきたら危ないよ〜!


なに? 『手伝ったからご褒美ちょうだい』?


え〜、どうしよっかなぁ〜?


わー! ごめん、ごめん! イジワルし過ぎちゃった!


うん、後からたっぷりご褒美あげるね!




――カタッ、コトッ……


よしっ! 完成~!


えぇ〜!? 大好物だからって興奮しすぎだよ〜!


でもそんなに喜んでもらえると私も嬉しいなっ!


じゃあ、食べよっか!


せ~の! いただきま〜す!


どう? 美味しい?


えっ!? 『宇宙一美味しい』って!?


また宇宙規模!?


えへへ……、でもありがとっ!


あれっ!? 好きな物ばっか食べてないで野菜もちゃんと食べてよー!


ほら~、野菜嫌いとか子どもみたいなこと言わないの~! 


なに? 『‟あ~ん”してくれたら食べる』って?


もうっ! 仕方がないなぁ~。


はいっ、あ~ん!


……どう? 美味しい?


あ~、良かった!


いやいや、‟あ~ん”のお返しはしなくていいから~!


え? 『単に自分もしたいだけ』って?


じゃ、じゃあお願いします……。


あ~ん……


んん~! 美味しいっ!



—―カチャ、カチャ……


そう言えば、今日は一日どうだった?


うんうん……


それで? うん……


そっか~。それは大変だったね~。


毎日頑張っててエライよ!


明日はお休みだから一緒にゆっくり過ごそうね~。


お家でまったりがいい? それとも久しぶりに外デートに行く?


うん、わかった! じゃあ、明日はお家でのんびりだね!


あっ、食べ終わった? お腹いっぱいになったかな?


それは良かった!


そうだっ! 食後のお茶淹れるね~!


――コポコポコポ……


はいっ、どーぞ!


ふぅ……。お茶は癒されるね~。


晩御飯も食べたし、ちょっとゆっくりしてからお風呂に入ろっか。


じゃあ、せ~のっ! ごちそうさまでしたっ!

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