第7話 帰る前にもちろん成果を確認します。
俺がマックスミートベアーを狩って収納した後、兎を5匹程担いだレイミィが俺の所に来た。
「はに〜ら〜びっ〜とー♪」
説明しよう、ハニーラビットとは文字通り蜂蜜が好物でなおかつ蜂そのものが大好きな兎である。
そのため、蜂に集られようが刺されようが一切通じず、蜂を巣ごと食すのが特徴である。
更に蜂蜜を食すためか、その肉は実に豊潤で甘くジューシーな味わいとなっている。
焼いて良し、煮て良し、加工して燻製にしても良しな格別な味わいのお肉となっている。
勿論、結構強い為、上級冒険者でも簡単にはいかない獲物である。
「あっ、シルヴァ君!!見てみて?5羽も仕留めちゃった!!」
レイミィはご機嫌そうに俺に伝えた。
レイミィのステータスは既にギルド内部では最強格ではなかろうか?
どうやらレイミィの祝福に成長補正があり、それが恐ろしく効果を発揮しているようである。
勿論、成長速度と質どちらにも良い効果が出ているようだ。
・・・まだステータスは直に見てないからどのくらいのペースで上がっているかはわからないが・・・
「凄いねレイミィ、それじゃあ狩った獲物をアイテムボックスに入れるから貸して?」
「うん!」
レイミィはこれ以上ない笑顔で俺に獲物を渡してくれるが、レイミィに尻尾とケモミミを幻視してしまう。
そんなレイミィの頭を撫でながら父ドルフが来ないか見渡すが、
「父さん、また釣りをしてるのか・・・」
父は以外と魚を好む、なんでも昔、旅をしていた頃からの好物だそうだ。
只、その旅は母さんと結婚してすぐにやめたらしい、と姉のリアが教えてくれた。
「確か中央に湖があったからそっちに行ってみようか?」
「うん、いいよ。ねぇねぇ、シルヴァ君戻ったら、その、デートしない?」
レイミィの可愛いお誘いに、
「いいよ、これだけあればしばらく潜る必要は無いと思うし、・・・そもそもギルドに金あるのかな?」
「なかったら次回に持ち越せばいいんじゃない?」
税の徴収は確か年2回だったと思っているけど、まだ一回目来てないんじゃ・・・
「まぁいいや、戻ったら考えよう」
そう言いながら俺とレイミィは父ドルフがいるであろう森を抜けた先にある湖エリアに向けて歩き出した。
レイミィと共に道中で散発的に襲ってくる魔獣を狩りつつ、父ドルフの元に向かう。
「えいやぁー!!」
今もレイミィの氷属性の魔法が猪の首を斬り落とした。
「ふふっ♪お肉げっとぉ〜♪」
「デカいのを仕留めたな、血抜きして収納しとくよ。」
「シルヴァ君はベジタブル・ナイツを仕留めたんだね・・・凄い数だね、シルヴァ君まだスキルとか取ってないんだよね?・・・そっちの収納が大変そうだから私が血抜きするね!」
レイミィは俺の戦果を見て、ちょっと驚きながら魔法を使って血抜きを始めた。
方法は分かりやすく言うと血管に魔法で作った水を入れて細部まで水を抜き取るという方法である。
そして、ベジタブル・ナイツとは野菜に手足っぽいモノがある魔獣だ。
単独での行動はせず、正に軍隊のように集団、どころか一個大隊か文字通り軍規模で行動する。
一体の強さはそこまでではないが数が多いのでこの階層の中最も危険な魔獣の1種として言われている。
この上位種がいると、ベジタブル・キングダムと言って数が更に十倍規模になる上に強さも上がっているので油断して瞬殺される冒険者も少なくない。
野菜の王国は軍事国家のようだ。
それからしっかりと狩った獲物を回収して、父ドルフの元に辿り着くと、
「おっ!?良いところに来たな!すまんがシルヴァこれをアイテムボックスに収納しといてくれ。」
「・・・随分とデカいのを釣り上げたね?」
収納しながら父にそう振ると、
「うむ!釣り竿が折れるかと思ったが流石はオリハルコンで作った竿、いいしなりじゃったわ!」
そっか〜と言いながら通常よりもサイズが大きい魚をアイテムボックスに回収して父ドルフにそろそろ出発を伝える。
「そうじゃな、そろそろ戻っても良いじゃろう。」
そう言って父は素早く荷物をまとめて、準備を整えた。
「では、我が家に帰るとするかのう。」
「「うん!」」
俺達は再び帰路についた。
今回の成果
ウルフ、30匹
マックスミートベアー、1匹
ベジタブル・ナイツ、大量
ハニーラビット、5匹
レイクフィッシュ、大量
ホワイトフィッシュ、3匹
スネークフィッシュ、1匹
父ドルフの釣りが漁レベルなのだが・・・俺は本当にチートなのだろうか?
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