第46話

 かずさは泣きじゃくる。

「この地域に有名なやつがいるだろ! それを頼ればどうにかしてくれるんじゃないかね! 他の魔法も使えるようにしておいたから、飛んで逃げられるだろ、期待しているよ! お行き!」

 かずさは涙を拭いて立ち上がった。


 姉と合流してから、箒を呼んで外に出た。

「月が赤くなってる」

「うん」




 制服姿の女は箒に腰掛けて森の上空を飛んでいた。

「なんか、赤い月とか不氣味なんだけど、帰ろっかな怖いし」

 長い濡れ羽色の髪が風に揺れる。

 前から飛んでくる影が二つあった。

「ん?」

 魔法使いだ。

だんだんと近づいて、それが、二人の女だとわかり、顔がだんだんハッキリと……

「あ」

 三人はお互いの顔を見て驚く。

「あんたたち……泥だらけでどうしたの」

「ええ、急いでいるから、じゃあね」

 あさぎが先を急ごうとすると、

「あなた工藤信也さんと知り合いだったりしない?」

 かずさが訊ねた。

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