第12話 絶対的な強者
報告会から3日後
「ん?ついに来たな数は....6人パーティが10か。少し多いな。」
塔の上に立ちながらクリエはそう呟いた。眼下には装備に身を包んだ冒険者達が周囲の警戒をしながら塔に近づいてきていた。
「シータ、準備はいいかい?」
通信魔法で塔の最奥にいるシータに問いかける。
『は、はい。準備完了いたしました、ギルマス。』
「よし、もし俺が負けたらなんとかしてくれ。」
『そんなことは無いと思いますけど、警戒はしておきます。』
そこで通信魔法を切った。そして、冒険者に目を向けると散開しながらこちらに近づいて来ていた。
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「こちらは異常無しです。」
「こちらも問題無しです。」
探知魔法で周囲を観察しながら冒険者達は目標まで近づいていた。
「ここでキャンプを建てましょう。あとは打ち合わせ通りにお願いします。」
全員で野営の準備を整え第一陣の金ランクの冒険者が塔に向かった。
「それでは行ってまいります。」
「無事に帰って来てくれ。」
「アルダースイングはこのままここで警戒を、黒鴉はプラチナランクの辺りを警戒して待機!」
そして、冒険者が塔に到達した。
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「とりあえず、1階層で待ち構えますか。」
クリエは2階層に行くための階段の前に立ち塞がった。少し待つと警戒しながら6つのパーティが現れた。
「そこにいるのは何者だ!」
先頭にいた金の鎧に身を包んだ男が話しかけてきた。
「名乗らせたいならまずは自分が名乗ればどうだ?」
「失礼した、私は王国の金ランク冒険者「黄金鎧」のリーダーであるゴン・シビスである。」
「名乗られたなら名乗ろう、私はこの塔の主人であるクリエ・オルト・リースである。」
「主人だと!?ならばお前を倒せばこの塔の奥に行けるのだな?」
「そうだともただ、それは俺を倒せればの話だ。その可能性は億に1つもないがな。」
その瞬間冒険者達の空気が変わった。全員に共通しているのは怒りだ。
「(たぶん、王国トップ10の名に傷をつけられたとでも思っているのだろう。)」
そう考えているとゴンと名乗ったものがこちらに斧を下ろしてきた。クリエはその斧を真正面から受け止める。
「何!?バカな、ならこれでどうだ!スキル「肉体強化」!うぉぉぉ!」
「弱いな、それじゃあ俺に傷もつけられねぇえよ!」
カウンターで拳を入れてやるとゴンの体が爆散した。
「あら、これで死ぬのか、弱いな。」
そう言うと後ろの奴らが怯え始めた。どうやらこの男が1番強かったらしい。
「(スキル使わなくていいならこいつのレベルはやっぱり30ぐらいだな。少し期待してたんだけどな。)」
と考えていると奴らが全員逃げ始めた。
「(やっべ、あれに逃げられるのは困る!)」
「スキル「選定結界」!」
「選定結界」とは指定エリア内にいる術者のレベルの半分より下のレベルのものを即死させるスキルである。それにより、逃げ出した全員が即死した。
「よ、よし、なんとかなったぞ〜、危なかったぁ、この塔のシステム発動させちまうところだった。(あれ起動させると請求額がえげつないからなぁ。ミューに怒られるところだった。)よし、次が来るまで約25分。とりあえず、死体は焼却するか。次は逃げられたら困るし瞬殺でいいか。スキル「隠形」!」
「隠形」は自分以外の自分よりレベルが30以上離れていない生物が自分に触れるまで姿を消すスキルである。
「まぁ、これ探知魔法には引っかかるんだけどね。」
姿を隠しながら待っていると次は三組のパーティが現れた。
「(あれは、プラチナと....虹の1組だな。右の6人は左の12人が束になっても勝てないレベルだな。まぁ、瞬殺されてもらうか。)スキル「混沌斬」!」
その瞬間18人の首が不可視の刃により血飛沫を上げて飛んだ。
「混沌斬」とは任意の相手の特定の場所に不可視の刃を振るうスキルである。ちなみに対象の数と威力は反比例する。
「誰も反応できなかったな。うちの面子ならこれぐらいは避けられるんだが。」
その直後目の前に六人の男達が現れた。
「お前達がアルダースイングか?」
「なぜ我々を知っている?それに、他の者達をどこにやった!」
「先に来た奴らは死んだ。死体も焼却したからもうない。」
その瞬間六人の顔が怒りに歪んだ。
「ならば、あいつらの供養のためにもおまえを殺す!」
「(リーダー以外はレベル50、リーダーが60ぐらいだな。)スキル「混沌斬」!」
先ほど通りに殺そうとするとリーダー以外は首を刎ねることができたがリーダーは間一髪避けた。
「こんな化け物がなぜここにいる!」
「よくぞ俺の一撃を避けた。ならば俺も本気を出そう。」
そう言いながら腰に掛けていた剣を抜いた。
それに応えるように相手も剣を抜いた。
「面白い剣だ。何かの魔法が込められているな。」
「そうだ、この剣は刺突能力と切断能力を高める魔法が込められている。お前の剣はどんな物だ?」
「この剣は分裂するんだよ。まぁ、今回はそのままやるけどね。」
そう返すと殺気を持って応えられた。ならば本気で相手せねば失礼だな。
「スキル「肉体超越」!スキル「限界突破」!」
二つのスキルを使った男がこちらに向かってきた。
「奥義【龍頭一閃】!」
「(同時に3つか、すごいな、これはレベル70にも通じるぞ。だけど)俺には届かないな。」
「な、なに!?」
俺はその刀を指2本で止めていた。
「お見事だ、俺の一撃で消してやる。」
「そ、そうか。ありがとう。」
この世界でも直接首を刎ねるのは敬意にあたるらしい。そして、そのままリーダーの首を、跳ねた
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