第2話悪役令嬢達の反撃
3日後、全攻略対象者と悪役令嬢達(私含む)、その親達が王宮の1番大きい貴賓室に集まった。護衛合わせて30人以上いてるのにまだ余裕あるって凄いわーって、そんな阿呆なこと考えてしまうほど最悪の雰囲気なのよ!
攻略対象者達の親達はなんで呼ばれたか分かってなくて困惑気味だし(王様もわかってない。公爵、どうやって国王夫妻まで呼び出せたの?!)、悪役令嬢sとその親達は事前の打ち合わせで笑顔だけど目が笑ってない。王太子の元婚約者も僻地から戻って座ってるからヒーローsはすっごい顔で睨んでるけど悪役令嬢は優雅に扇を広げて微笑んでいる。
こんな中で最初に話出したのが、悪役令嬢の父親、サバリス筆頭公爵だった。
「本日集まって貰ったのは娘達の無実を証明する為です。まず、こちらをご覧下さい。」
そう言って従者に持たせていたカバンから水晶玉を取り出した。
この世界は魔法はないけど、科学の技術は発展途上でこの水晶玉もビデオカメラを水晶玉にした物。画像は荒いけど誰かはしっかり写ってる。ただし、1つで王都の家が買えるほど滅茶苦茶お高い。
そこに映っていたのは、ヒロインの自作自演の苛めの捏造と、ヒーロー達のヒロインとの不貞。映像が進むにつれてヒロインは真っ青。ヒーローsも真っ青。ついでにその親達も真っ青だ。そしてそれぞれの初夜の暴言も流れ、ヒーローsは青を通り越して白くなった。
見終わった後のヒーローsと親達はーーー修羅場だった。
「お前はなんて事を!」
「こんな見え透いた罠にかかりおって!」
「王太子ともあろう者が冤罪で婚約者をおとしめるとは」
母親達は泣いてるし、父親達は怒声をあびせ殴る蹴るで、騎士団長子息なんか壁まで吹っ飛ばされた。えっ、5mは飛んだよね。何で起き上がれるの?そんで王様も息子に腹に蹴り入れてるよ。王太子吐くなよ!
悪役令嬢の義兄は何もされてないけど、ガタガタ震えて物凄い汗が吹き出てる。そりゃ家に帰ったらどうなるか分からないもんね。
この地獄絵図に終止符を打ったのはやっぱり悪役令嬢の父、サバリス公爵だ。
「おやめ下さい。まだ話は終わっておりません。」
大きな声じゃないのに皆の動きが止まった。皆、座り直して公爵の言葉を待つ。
「さて、娘達の無実と婚約者の不貞、そこの子爵令嬢の自作自演の苛めの捏造をお認め頂けるかな?」
子爵令嬢は震えながら言い返した。
「こんな映像、デタラメよ。だいたいこんな都合良く撮れるわけないじゃない!」
「そ、そうだ!」
「これが本物だって言う証拠はあるのか?!」
えー?子爵令嬢は認めないと思ったけど、騎士団長子息と公爵家養子まで何か言い出したよ。
「見苦しい。これは元老院に提出し、真偽を確認の上で流したものだ。言い逃れは出来んぞ。」
流石は筆頭公爵。迫力がヤ〇ザよりも凄いわ·····。
「陛下。わかっておられましょうが、王太子とその子爵家の娘が、今回の件の1番の原因ですぞ。」
国王にまで釘さしたよ·····
「王太子殿下。責任の取り方は知っておりますな。」
王太子、ガクブルじゃん。責任の取り方って·····いや、深く考えまい。
子爵令嬢は私がヒロインなのよ!とか何とか叫びながら退場させられ、後は各々の話し合いという形で幕を閉じた。ふぅ(。´-д-) =3
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