「雨の日の朝、JKは耽る」

山崎 藤吾

「雨の日の朝、JKは耽る」

 朝起きると雨の音がうるさかった。

窓にはカエルが張り付いていて

ずぶ濡れだった。

「カエルさん、おはよう」

いつもなら絶対言わない

童話のようなセリフも今なら

言える。

「はぁ……学校行きたくないな……」

ふと漏れ出した弱音…。

心が苦しくてなんだか結構死にたい

気分。でもできない

死にたくない……。

ホントは楽しく生きてたい

友達と遊んだり彼氏作ったり

そんな普通が欲しいだけなのに……

私にはそれが手に入らない。

手を伸ばし頭の頭上にあるスマホを

机から引きずり下ろした。

「あと…23分」

学校までのタイムリミット。

今から準備すれば余裕で間に合う、けど…

そんなの嫌だ。

だって行きたくないんだもん……

先生も怖いし話聞いてくれない

友達はいないしもう前みたいに

イジメられたくない……。

こんな人生散々だ、毎日毎日ビクビクと

次にくる出来事を恐れてる……。

こんなことをする為に私は

高校生をやってない。

胸にギュッと爪を立て握りしめると

泣きそうになる目を袖で抑える。

唇も噛みしめ声を殺したコレは私の

少ない特技の一つ……コレはいままで

誰にもバレたことがない。

だから安心して悲しめる。

泣いたの跡が残らない様に

涙は決して流さずに、声も決して

漏らすことなく…シーツを強く、出来るだけ

強く握り潰す。

「もう…ほんと最低」



 5分だけ心で泣いて

ハイ元通り、これで全て大丈夫。

もう何も大丈夫。

壊れてないし…良かった。

壊れると自分が凄く煩く思えるから

静かになってよかった…。

ベッドから起き上がり

座ったままスマホを除く。

もうアレから10分も経っている

私そんなに泣いてたんだ…少し唖然としつつ

天井を見上げ喉をピンと張るようにし

軽く深呼吸をした。

そして、私はある事を決める。

「もう…全部辞めよう。」


 ─終わり─

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「雨の日の朝、JKは耽る」 山崎 藤吾 @Marble2002

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