第2話 やっぱり始まった...

木村から諦めないという宣言をもらってから最初の週末、

都内のカフェで姉とブランチをしていた。

蓮「あの後から、結局なにもなっかたみたいだね?よかったよかった」

莉緒「うん、ほんとよ!」

蓮「でもなんだよな、変に怖がらせやがって、ムカつくよな」

莉緒「まあ、何事もなかったからいいんだけどね」

蓮「少しでも異変があったら言うんだぞ、一緒に立ち向かおうね」

莉緒「心強い弟を持ったもんよ笑」

蓮「じゃあ、ここは奢ってもらおうかな、用心棒代笑」

莉緒「はいはい笑」


この日から一月、全くなにも姉の身に起きなかった。

だがしかし、ちょうど一月後、やっぱり始まったのだ。

木村智の気配が、少し、姉のもとへ。


ある水曜日の夜

莉緒「ただいまー」

蓮「おかえり、姉さん」

莉緒「ちょっといい、蓮」

蓮「夕飯先食べなくていいの?」

莉緒「ちょっと」

蓮「なになに、俺も母さんも父さんも先食べちゃったから、姉さん早く食べないと母さん食器洗えないよ笑」

莉緒「始まった、かも」

蓮「えっ、、?」

莉緒「木村のことよ」

蓮「...」

莉緒「今日の帰り、久々に残業2時間で急ぎ歩きで会社から駅まで向かってたら、一定の間隔を保ったまま、同じ歩調で来るの」

蓮「来るのって、追いかけてくるの?」

莉緒「そうよ。。」

蓮「顔見た?本人?」

莉緒「気持ち悪いし怖いから、駅についた瞬間、さりげなく後ろみたわ、その時はっきり見えたわ。」

蓮「あの、鋭い目つき、だっけ?」

莉緒「そう!」

母「ちょっと、二人でなに隅っこで話してるのよ、早く食べて頂戴、莉緒」

莉緒「はいはーい」

蓮「寝る前に続き教えて!」

莉緒「うん!」


姉さんが夕飯をとってる間、シャワーを浴びながら一人考えた。

どうやったら、この状況を打開できるだろうか。

こういうのって多分、エスカレートするんだと思う。

テレビのドキュメンタリー?見た覚えがある。

初めはいつもこんな感じ。でもだんだんと悪化して、両親や警察に相談する頃には、もう既に時遅しで、最悪のシナリオ。。

だがそうはさせるものか、ここは天下の佐藤家だぞ。

この蓮が姉さんを守り切る!


夕食後の姉さんの部屋

蓮「姉さん」

莉緒「うん?」

蓮「今週の残り二日間、俺が会社に迎えに行くよ!」

莉緒「いいの?」

蓮「もちろんだよ!警護にあたります笑」

莉緒「とっても心強い笑、腕組みしちゃう」

蓮「喜んで笑、もし気配察知したらすぐに耳打ちしてね、一言行ってくるから!」

莉緒「うん、わかった笑」


明日の大学の講義は、午前中で終わりだから、その後は図書館かカフェで勉強して過ごすことにするか。

もはや待ってろよ、変態木村智、この俺がお前の顔面を吹き飛ばす!

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