浮気の罰として女神様から魔法の貞操帯を架せられたクズとビッチ
鬼頭星之衛
第1話 女のカンってのもあてにならない
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
「んっ、んっ、あっ、あんっ・・・」
派手で如何にもな外観のラブホテルのベッドの上で乾いた肌同士がぶつかる音と、水に濡れた音が響き渡る。
眼下で喘いでいる
彼女と繋がっている俺―――
「ハァ・・・ハァ・・・イクぞ・・・」
「んっ、ハァ、わたしも・・・」
そしてお互い同時に果てた。
・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
シャワーを浴び終えた沙羅はバスタオルを剥ぎ、下着を付けながら話かけてきた。
「ねぇ、勝。ちょっと二人でこうして会う頻度抑えない?」
「ん?どうしてだ?」
「う~ん、女のカンって言うのかな、最近、優太の様子が変なのよ」
「そうなのか、俺にはいつも通りに見えるけどな・・・」
「まぁ、あくまでカンだから確信がある訳じゃないけど、用心する事に越した事ないでしょ」
「そうだな、俺としては沙羅と会う頻度が下がると寂しいけどな・・・」
「そんな事言わないで!わたしもあんたも本気じゃないんだから・・・」
「ハハハ、そう怒るなよ。分かってるよ。お前には優太がいて、俺には風美がいるからな」
そうだ、本気じゃない。お互い別々の恋人がいる。
そんな背徳的な関係に背中に電気のようなゾクゾクした感覚が走り、やめられない。
それは沙羅も同じだ。大切な人がいながら俺と肌を重ねているんだから相当なビッチだ。
まぁ、俺も人の事は言えないがな。
それにしても優太の様子が変か・・・
確信的な事じゃないって言ってるけど、女のカンは侮れないからな、俺も気をつけないとな。
ただ、俺から見た風美は特に変わった様子はない。
無口で大人しいからいつも俺ばっかり話している。
そんな俺の話を聖母のように聞いてくれる風美はいつもと変わらないような気がする。
まぁ、気にしても仕方ない。俺は細かい事を考える性質じゃない。
先に着替えを終えた沙羅がいつまでも下着姿のままでいる俺を急かす。
「早く着替えてくれない?こんな所でいつまでもダラダラしたくないんだけど」
「なら、先に出ればいいじゃないか。別に一緒に出る必要ないだろ」
「・・・それもそうね。なら先に出るわよ」
「あぁ、ウソウソ。冗談だって。すぐ着替えるから待ってくれ」
はぁ、女って生き物は面倒くさいなぁ。
沙羅は素っ気なく言っているが、本心は別のところにあるだろう。
変にへそを曲げられても困るからある程度は機嫌を取らないといけない。
本気の関係じゃないにしてもアフターケアは大事だ。
細かい事が気にならない性質ではあるが、短い付き合いながら沙羅の面倒くさい性格も理解しているつもりなので、これもある種の処世術だ。
女の支度とは違ってTシャツを着て、ジーパンを履くだけなのですぐに俺の支度は済んだ。
「ほら、行くぞ」
二人してラブホテルを出る。
本気の関係じゃないとは言いつつ、沙羅は俺の腕に手を回してくる。
こんな場面を誰か知り合いに見られたら一巻の終わりだが、わざわざ遠くの街まで来ているので知り合いに会う確率はかなり低い。
近場で遊ぶのもそれはそれでスリルがありそうだが、沙羅は乗り気じゃない。
まぁ、バレたくないのは俺も一緒だから無理強いはしなかったが・・・
ラブホテルを出て、路地を腕を組みながら歩いている俺と沙羅の目の前に二つの人影が現れた。
「う、そ・・・ なんで・・・」
沙羅が驚愕に目を見開いて、たどたどしく言葉を発している。
俺は不意打ち過ぎて言葉すら出なかった。
「それはこっちのセリフだよ。沙羅。なんで矢内君とホテルから腕を組んで出てくるだ?」
「そ、それは・・・」
沙羅は言葉に詰まっている。
俺は優太の後ろに隠れている風美を見た。
そこにはいつも俺に向けてくれる笑顔はなかった。
その表情は怯え切っており、俺の事をまるで化け物でも見るかのように見てくる。
「風美・・・」
「・・・・・・・・」
風美は何も答えてくれなかった。
「沙羅、矢内君。ここじゃまともに話せないから場所を移そう。いいよね?」
それはいつもの内気な優太ではなかった。
いつもおどおどしており、沙羅の尻に敷かれていた優太はどこにもいなかった。
「あぁ・・・」
俺は短く返事をした。
俺と沙羅は
女のカンってのもあてにならないものだなぁ、と俺は独り言ちた。
εεεεε
あとがき
7月初頭から書き始めていましたが、中々書き溜め出来ず、いつまで経っても投稿出来なかったのですが、敢えて、公開する事によってモチベが上がるかもと思い、ワンチャン公開する事にしました。
なるべく更新したいですが、いつも通り遅筆なのでご勘弁を。
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