音が聴こえる
食連星
第1話
ちょっと変な法案が通ったみたい.
普通の人は関係無いから
どうでも良さそうに
眺めてると思うんだ.
「えっ!?
なんだって?」
「だからー
こっから
一緒に出来そうな奴ら選んで.」
「えっ!?」
「何で
お前聞こえんの?」
「いや.
まじで聞こえてるけど.」
「なら選べよ.」
「えっ!?」
どいつもこいつも
一緒にできなくない?
年齢層…やばめ
高め.
だって…
こんなん
俺らの
爺様婆様じゃん.
いやいや.
俺爺ちゃんっ子よ.
めちゃくちゃ可愛がって貰ったし.
個人的には好きな世代だけど…
一緒にやる!?
は!?
嘘でしょ.
無理だよ.
ステージで
倒れてるわ.
俺,駆け寄る自信はあるけど
何とかできる自信はねぇわ.
え!?
「すっごい
にじにじ脂汗ジワるわ.
無理だろ.こんなん.」
「仕方ないだろ.
抱き合わせじゃないと
箱で出来ないんだから.
お前ニュース見ないの?
曲作らんからって
時事問題アツくないと
何にも奏でらんないよ.」
何っ!?
それ関係なくないか!?
個人的な問題まで突っ込まれるとか
酷過ぎない?
「一緒にやるんなら,
てめぇで選べよ.
声質とか合わせてさ…
合わせてさ…」
合わせてさ…
合うんか,これ…
「どれも,いい感じだった.
もう絞ってきた.
絞って出してるから.
取り敢えず身近で
やってる組,全て聴いた.
これ,1/10よ.
俺は俺の仕事やってる.」
「あ…すまん.
そう.」
目の前のポラは3枚.
30組分聴いたって事ね.
お疲れさん…
待って待って.
もう情報量が多すぎて
パニックぅよ.
「ちょちょちょちょ
待って.
も一回.
丁寧に説明してくんない?
端折られ過ぎてて
付いてけない.」
「はぁ…
なんかね.
超高齢化社会に向けて
生きがいを見付けましょうって.」
「あぁ…
そう.んで?」
「取り敢えず無理矢理
一緒にやらせちゃえって.」
「はっ!?
それ適当過ぎない?」
「えっ!?説明が!?」
「いやいや
バンドやなくていいでしょ.
今あれ.あるじゃん.
ゴルフ…芝ゴル.
あれ,させときゃいいんじゃないの?」
「…知らないよ.
そういう決めつけも良くないんじゃない?
ってやつなんじゃない?
もう動いてるんだから,
こっちもそれに向けて
動くしかねーのよ.」
「あぁ…
今ここで選んだ方がいいの?」
「デモ聴くなら,あるよ.」
「でも聴いて選んだあとなんでしょ?」
「でも?バット?
デモ?デモ曲?」
「あぁ…それ意味変わってくる?」
「あんま変わらんね.」
笑う.笑い合う.
俺,ドラム.
こいつ,ボーカル.
曲も作る.
こいつが.
俺,打つだけ.
でも,色々訊いてくる.
何か参加してるって感じがするし,
いて欲しいって
お前やねぇと
代わり利かんからって言われてるみたいで
気分いい.
言われた事はねーですけど.
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