第46話 第二王女と女騎士団長

「さあ、負けを認めるがいい」


「はい♡ ベリアル様ぁ。私はもう貴方のモノですぅ」


 俺の『性欲支配』に掛かった彼女の元の姿はなく、従順なになっている。


「勝者! ベリアル!」


 ゲラルドの断定が終わり、彼女の『性欲支配』を解除する。


「っ!? ひ、卑怯よ!」


「卑怯とは失敬な。俺は俺の力を使ったまでだが?」


「ふざけないで!」


 次の瞬間。


 自分の中に凄まじい怒り・・を感じる。


 ああ……思い出すのはあの日の事。


 ――――「ゴミだから踏んでるんじゃねぇかよ! ガーハハハハ! ずっと威張ってたやつを踏めるなんて、なんて気持ちいいんだ!」。


 あの日のクレイの言葉が頭に木霊していく。


 そうか……これが彼女のか。


「ふん。大した事ないな」


「は?」


「力の使い方がなっていない」


 俺は自分の中に芽生えた怒り・・を目の前の相手に全てぶつける。


 最初に『性欲支配』を使い、彼女を先と同じ状態にする。


「ん……あ…………」


 服の上から身体のラインを辿ると、身体をびくびくさせながら悶える。


 手繰り寄せた彼女の唇を奪う。


 初めて・・・なのか拙い舌の使いながらも、快楽にどんどん堕ちていく。


 次第に立てなくなり、決壊した彼女のそれが訓練場に広がっていく。


「力とはこう使うんだよ。お前はまだ幼い。これから俺が教えてやろう」


「は……い♡」


 『性欲支配』を解くと、自分の中にある怒りの感情が無くなった。


「約束は守って貰うぞ? オリビア」


「はい…………ベリアル様」


 まあ、元の性欲値15%に戻しても目にハートマークが見えてるんだが、やはり『性欲支配』は凄まじい力なんだな。




 結婚前後の2週間。


 俺は余った時間を使い、極力レベルを上げる事に尽力した。


 いずれ戻ってくるであろうクレイに復讐するため、もっと力を欲してレベルを上げていった。


 元々レベルが7だったのだが、十日で8になり、さらに十日で9となった。


 後はここで得た二つのスキルを色々試していて、レベル10にはまだ上げれていないのだが、レベル9の時点で手に入った『性欲支配』でも十分過ぎる程の力になった。


 今まで俺が出来るのは、相手が感じる性欲値を変更させる事しか出来なかった。


 だから、場合によっては300%を与えたとしても、それを我慢出来る人が現れるかも知れないと思った。


 今まで会った事はないけれど、生まれながら性欲に鈍感だったり、全く感じない人がいてもおかしくない。


 だからもしもの時のため、新しい力を欲して、結果的にてに入ったスキル『性欲支配』は、相手の感じる性欲値を変更するなんて、生ぬるい・・・・スキルではない。


 相手の性欲に直接・・触れる事によって、性欲値を通り越して、強制的に性欲を目覚めさせるスキルとなっている。


 このスキルは『神威級スキル』らしくて、掛けた相手の性欲値の色が白色に変わる。


 掛けられる相手は一人しかいないが、こうなった相手のどんな性欲も与える事が出来る。いや、感じさせる事が出来るのだ。


 例えば、今回の戦いで彼女のに触れると激情の性欲を与える事によって、彼女が剣すら持てない程の快楽・・が湧き出るのだ。


 ここで俺が指定する『激情の性欲』は全ての性欲の中でも最上位であり、本来なら感じる事も出来ないほどに強い性欲だ。


 このスキルを試した相手・・は、二度とあの感覚を忘れる事が出来ず、もはや性欲値300%でなければ満足できない身体にもなる。


 それは散々試した・・・結果である。



「オリビア」


「はい」


「お前の力は相手の怒り値を変えるんだな?」


「そうです。ただ怒り値を300%に変えても暴走したりはしません」


 性欲とちがって、怒りは弱い・・感情だ。


 性欲、食欲、睡眠欲が三大欲求として有名だから、それ以外の欲望は下位の位置だと思われる。


「さて、スカーレット。お前にもチャンスをやろう」


「っ!?」


「オリビアが耐えたあの力を耐える事が出来たなら、お前が望んだ通りにしてやってもいい」


「…………ああ。分かった。私もそれに賭けよう。必ず勝ってみせる」


 すっかり落ち着いた彼女は、普段の口調に戻っている。


 そんな彼女に『性欲支配』を与える。


「……?」


「ここからさ。さあ、いくぞ」


「…………っ!?」


 手に触れただけで大きな反応を見せる。


 ぐっと堪えるが、あまり意味はなく、次第に彼女も堕ちていく。






 そして。


「ベリアル様ぁ」


 彼女もまた従順なとなった。


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