第22話 賑わい

先日の賑わいが嘘のように、境内は静まり返っていた。綿飴もとうもろこしもない。つまんないの、と子狐は尻尾を石畳に打ちつける。また祭りがあるよと木々が慰める。幽霊達は昔の記憶をなぞっているから、季節感はある。暦代わりに月と星を数え、彼らの薄明かりが灯る廃墟の街を見下ろして待っていた。

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