第14話 お下がり

子どもの頃からお下がりばかり。新品は大抵、親兄弟のものになる。大事な宝物はそっと砂浜に隠す。波にさらわれても、心の中に置ける。呼ばれ、さっき拾ったいい感じの棒のことは忘れて、巻きしっぽを高くあげて走る。かっこいいボールを投げてもらう。人間の兄弟にもらったボールを、たくさん楽しむ。

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