第6話 アバター
アバターを選ぶ。今日は黒猫。仮想空間で固定のものを使う人もいれば、気まぐれに名前や姿を変える人もいる。自分は後者。アバターは空を舞い、木々に軽々と登り、海を泳ぐ。現世では隠している耳と尻尾を丸出しにして、アバターは駆け回る。すぐにノイズと壁に阻まれる仮想空間の、狭さを忘れる。
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