第26話 標本

標本箱に何か入っている。理科室の道具は大抵綺麗に整頓されているのに、箱の中は乱雑だった。乾いた枯れ草が詰めてある。揺らすと、真ん中にコツリと硬いものがあった。妖精だ。眠っているのか標本だからか、身じろぎしない。触れると冷たい。人の気配がして慌てて隠す。箱を見たのはそれきりだった。

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