第16話 錆び

錆びた包丁を紙で包む。大事に抱えて街を駆けた。最近開業した研ぎ師の人がいると聞いたから。見習い刀鍛冶だからと断られたが、頼み込むと、見てくれた。若い人で、薪を大量に積んだ裏庭で、丁寧に砥石で包丁の刃を立ててくれる。気が済んだ包丁の精霊は包丁に戻り、不精の持ち主と刀鍛冶が残された。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る