第2話 金魚
迷子の金魚を拾った。どうやら家族を探しているらしい。適当に見繕ったコップの中、水面から顔を出し、あぶくを吐きながら、家にいる金色の目の美しい生き物の話をしてくれる。あ、いた、と金魚が叫ぶ。空に丸い月が浮かび、ほろほろと光のかけらが降りてくる。金魚は跳ねて、空に消えていった。
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