第3話 水琴

「今週もよく頑張りましたね、ママはとーっても嬉しいですー」


――――――――――――――――――――

 今、俺に膝枕をしてくれて優しく頭を撫でてくれているのは水琴ミコトだ。

 彼女は長い青色の髪の毛をしていてサラサラした髪の毛をつい弄びんでいた。

 そんな彼女は、慈愛に満ちた表情をしていて包み込んでくれるかの様で……

 

 いや、目の前にある大きい双丘に阻まれて顔は全く見えないだけど、きっとそういう顔をしているに違いない。そう確信させる声音だった。

――――――――――――――――――――


「今日も耳かきしてあげましょうか?」


 コクコク


「『水琴ミコトにしてもらうのが大好き』? ふふ、ありがとう」


「それじゃ膝枕はもう終わりになりますよー」


「んー。まだこうしてたいんですかー?」


 ふるふる


「だめですよー。膝枕したまま耳かきするとー。ゴミが外に出ないんですから」


「ちゃーんと横になって掃除しないとダメなんですよー」


「『でもっ』じゃありません。悪いお口は……えいっ」


 ボフン


 ふー ふー ふがふが


「塞いじゃいますよー。ほらほら」


 ガブッ


「んー? 悪い子はメッですよ?」


 ぺちん


「しょーがないですね。もうちょっと膝枕してましょうかー」


「ふぁー ママも眠くなっちゃいます。もー他の子達は部屋の掃除しないんですからぁ。あ、土萌トモエちゃんは別ですねー」


「ウンウン、アナタも土曜日の掃除をちゃんとやってますね。ほーんとエライです」


「今週も本当にありがとう。みんなアナタに感謝してますよ♪」


「大変じゃないですか? え『飽きなくていいじゃないか』って?」


「それって浮気じゃないですかー? ママはそんな風に育てた覚えはありませんよっ」


 プンッ プンッ


「なーんて、ふふ」


「そろそろ、耳かきしましょー?」


 もっそり


 スタスタ


 ストン コテン


 スヤ〜


「あれ? もう寝ちゃうんですかー?」


「今日は疲れた? それじゃおやすみさないー」


「『でも、耳かきはしてもらいたい』って……もー甘えん坊さんさんだから♪」


「それじゃ、用意しますよー」


 ガサ ガサ


 カチャ カチャ


 キュキュ


 サクッ


 パチッ


「はーい。ライトで耳を照らしてますよ。穴の奥までよく見えますー」


「あー、タまってますねー」


 カサカサ


 カリカリ


 ベリッ


「一個取れましたー。ふふ。今週も溜まってますね♪ ちゃーんと綺麗にしてあげますからね♡」


 カリカリ


 カサカサ


「だーめ。動かないでね♪ でも痛かった言ってくださいねー」


 カリカリ


 ベリッ


「あ♡ また取れましたー♪」


「それじゃ、もっとしますね♡」


 ふー


 ビクンッ


「ふふっ、次はすこーし冷たいかもしれませんが動かないでくださいね♪」


 ジュボ


 フッ フッ


 カポッ 


 ゴソッ ゴソゴソ ゴソッ


 ゴリゴリゴリ


「はーい。右耳は終わりましたー。次は左耳ですね♪」


 ガバッ


 クルッ


 パタン


 スヤ〜


「いいですかー?」


 コクコク


「最近お仕事はどうですかー?」


 カサカサ


 カリカリ


 ベリッ


「『新しいプロジェクトが始まって大変』忙しいんですねー。何かママが手伝える事は有りますか?」


 カリカリ


 カサカサ


「『マッサージして欲しい』んー。それはママもして欲しいな。お掃除すると肩がこるんですよー」


 ボイン ボイン

 たぷん たぷん


「シャワーして寝る前にマッサージしましょうねー♪」


 ジュボ


 フッ フッ


 カポッ 


 ゴソッ ゴソゴソ ゴソッ


 ゴリゴリゴリ


「ママは肩と腰を中心にしてほしいなー」


 コクコク


「でも、それ以外の所はメーですよ。アナタはいつも別の所触るんだからー」


「水曜日が休みの日はちゃーんとシてあげますからね♪ 平日はメーです。わかりましたか?」


 ウンウン


「んっ♡ いいこ、いいこー」


 なでなで スリスリ


 スヤ〜 Zzzz


「今日もお疲れ様アナタ♡」


つづく

――――――――――――――――――――

あとがき


水曜日 水琴ミコトママ 耳かき


次回


木曜日 木澄キスミ お嬢様 料理


こちらはコンテスト向け作品です。

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