探偵牧師物語 最終章
佐藤子冬
第1話 幼き頃の父との会話
小さな頃の夢の中にいる。
「良いかい、叡治。智恵を以て全てを治めなさい。力を振るう者は力そのものに滅ぼされる。お前には賢さがある。だけど、父さんは心配だ。いつの日か我々の血を巡って世界を我が物にせんとする者が現れるだろう」
父さんは何を言っているのだろう?
我々の血とはどういうことだろう? 世界を我が物にする者とは誰だろう?
「父さんは戒めから逃れた人間だ。だから、もう世界に干渉出来ない。だが、あの書は持ち主を探すだろう。良いかい、誰にもその書を渡してはいけない」
父さんは涙を流しながら僕の肩をつかんで語りかけた。
「おお、神よ。願わくはこの子だけでも平安の内に……ラジエルの書さえなければ……」
なぜ、父さんがこのことを知っている?
しかし、この後の結末を僕は知っている。父さんは交通事故で死んだのだ。不可思議なことに運転手がいない怪奇な事件だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます